「ペット保険って難しそう」
「専門用語が多くてよくわからない」
そんな悩みを抱える方のために、「そもそもペット保険とは?」という初歩的な部分から基礎知識を解説していきます。
この記事から、ペットの健康を考える第一歩を踏み出してみませんか?
・ペット保険とは治療費を補償してくれる保険
・加入条件や補償内容は、保険会社によって異なる
・ペットの長寿化や獣医療の発展に伴って加入率は増加傾向にある
ペット保険とは?何を補償してくれるの?
ペット保険は治療費を補償してくれる、というのはなんとなくイメージを持たれている方も多いかと思います。それでは、治療費とはどこまでの範囲を指すのでしょうか?
保険会社やプランによって違いはありますが、大きく分類すると3つを補償してくれます。
大切なペットの治療費を補償してくれる
ペット保険とは、大切な家族であるペットが、病気やケガで動物病院を受診する際、診察でかかった治療費を補償してくれる保険です。
犬・猫を始めとしたペットには、私たち人間のような健康保険制度がありません。そのため、動物病院にかかった際の費用は飼い主が全額負担することになります。
ペット保険ではその際に発生する費用を、契約したプランに応じて補償してくれます。
※保険金には、診療形態(通院・入院・手術)ごとに支払限度額とそれぞれに対応する限度日数または限度回数が定められている商品もあります。
※補償の対象外となる項目もあります。詳細は、重要事項説明書および約款などでご確認ください。
主に「通院」「入院」「手術」をカバーしてくれる
保険会社や保険商品のプランによって、受け取れる保険金や補償範囲は異なりますが、主に「通院」「入院」「手術」の治療費をカバーしてくれます。
一般的に治療費の50%、もしくは70%を補償割合とするペット保険が多いですが、なかには補償割合が100%の商品もあります。
賠償責任を補償してくれることも
ペットが万が一、他人や他のペットにケガをさせたり、物を壊したりして、損害賠償責任を飼い主が負った場合、それを保険金で支払ってくれる場合もあります。
基本的には通常のペット保険に追加料金を支払ってプラスできるというシステムが多いです。保険会社によっては賠償責任補償を追加できない場合もありますので、ペット保険を選ぶ際のポイントにもなるでしょう。

ペット保険は必要?加入のメリットとは
どういったものを補償してくれるかはわかりましたが、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?最も大きなメリットは治療費の負担を軽減できることです。詳しく確認していきましょう。
高額な治療費に対する負担を軽減できる
「動物の治療費は人間ほどかからないだろうから、ペットに保険は必要ない」と考えている方もいるかもしれません。
ですが、動物には人間のような公的な健康保険制度がないため、治療費の負担が高額になってしまうこともあります。
アニコム損保によると、犬種別の年間診療費(0~12歳での平均)は5〜11万円、猫種別の年間診療費(0~12歳での平均)は3〜6万円と決して安くはありません。
中には30万円を超える高額な治療が必要になるケースもあるようです。
万が一の治療に備え、ペット保険に加入しておけば、治療費に対する負担を軽減することができます。大切なペットに必要な治療を受けさせてあげるために、日頃からしっかりと備えておくことが大切です。
参照元:
アニコム損保/家庭どうぶつ白書2017
アクサダイレクト/ペットの治療費は意外と高額?いざという時のためのペット保険の基本[vol.1]
動物病院を受診しやすくなる
病気やケガは早期発見・早期治療が大切ですが、治療費が全額自己負担であることを考えると、
「もう少し様子を見てみよう…」
と、受診を躊躇してしまうことはないでしょうか。
このような場合、ペット保険で金銭面の負担が軽くなれば、ペットの体調が気になったときにすぐに動物病院を受診できるようになるかもしれません。
ペットが元気に過ごせるように、病気やケガはなるべく早期に治療しましょう。

近年ペット保険の申し込みは増加傾向
ペット産業は約1.5兆円の市場規模があるといわれています。ペット保険自体の市場規模は2018年時点で667億円。成長率は毎年20%前後と着実に拡大を続けています。
ペット保険の加入率は?
ペット保険の加入率は2013年時点では4.3%だったのに対し、2018年では9.1%と5年間で約2倍の伸びを見せています。
ペット保険発祥の地であるスウェーデンの約50%の加入率と比べるとまだまだ少ない数値ではありますが、ペットの長寿化や獣医療の発展に伴い、医療費が増えていくと考えられるため、ペット保険の加入率は今後も上がっていくと予想されます。
参照元
アニコム損保/アニコム損保中期経営計画2019-2021
アイペット/ペット保険の歴史
どんな動物が加入できる?
昨今では、犬・猫以外の動物も加入できるペット保険も登場しています。ここでは、各動物ごとに加入できるペット保険会社を一覧でご紹介します。
犬・猫が加入できるペット保険会社
犬・猫が加入できるペット保険会社はたくさんあります。各社さまざまなプランを用意しているので、それぞれ確認してみてください。
・PS保険
・楽天ペット保険
・SBIいきいき少短
・アイペット
・FPC
・SBIプリズム少短(旧:日本アニマル倶楽部)
・au損保
・ペッツベスト
・アニコム損保
・アクサダイレクト
・ペット&ファミリー
・日本ペット
・イーペット
・イオン など
以下の記事では、犬・猫それぞれのペット保険の必要性や選ぶポイントを解説しています。
犬・猫のペット保険について詳しく知りたい方はこちらも参考になさってください。


※ここには保険商品の内容の全てを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載された保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
うさぎが加入できるペット保険会社
うさぎが加入できるペット保険会社は犬・猫に比べると数が少なくなっています。うさぎが加入できるプランは限られていることがあるので、注意しましょう。
・アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ」
・SBIプリズム少短(旧:日本アニマル倶楽部)「プリズムコール」
・ペットライフジャパン「ペットライフ健保」 など
※ここには保険商品の内容の全てを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載された保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
鳥が加入できるペット保険会社
鳥が加入できるペット保険会社の数も少なくなっています。また、加入できる品種を限定している商品もあります。
・アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ」
・SBIプリズム少短(旧:日本アニマル倶楽部)「プリズムコール」
・ペットライフジャパン「ペットライフ健保」 など
※ここには保険商品の内容の全てを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載された保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
フェレットが加入できるペット保険会社
フェレットが加入できるペット保険会社はこちらです。加入を検討される際は、新規加入可能年齢などもご確認ください。
・アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ」
・SBIプリズム少短(旧:日本アニマル倶楽部)「プリズムコール」 など
※ここには保険商品の内容の全てを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載された保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
その他小動物が加入できるペット保険
SBIプリズム少短の「プリズムコール」では、リスやデグー、ハムスター、爬虫類などの小動物が加入できるペット保険を用意しています。
うさぎ・鳥・フェレット以外の小動物が入れるペット保険を探している方は、プリズムコールのHPでご自身のペットが対象となる商品がないか探してみてはいかがでしょうか。
以下の記事ではプリズムコールについて特徴や気になる点なども併せてより詳しく解説しています。加入を検討されている方は、ぜひご一読ください。

※ここには保険商品の内容の全てを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載された保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
SBIプリズム少短/重要事項説明書
トラブルにならないように知っておきたいこと
保険会社やプランによって加入条件や補償内容は異なるため、ペット保険の加入を検討する際にはいくつか確認すべきポイントがあります。
「受け取れると思っていた保険金が受け取れない」といった最悪の事態を避けるためにも、ここで紹介する内容については少なくとも確認しておくようにしましょう。
待機期間
ペット保険によっては「待機期間」が設定されているものがあります。
待機期間とは、保険期間が開始された後でも一定の期間中にかかった傷病については補償の対象外となる期間のことです。
待機期間の有無や日数等は各保険会社の商品によって異なります。
例えば、「病気は保険期間の初日から30日間、ガンは保険期間の初日から120日間」といった待機期間を設けているペット保険があります。
待機期間が設定されていると、備えたいリスクがカバーされないことがあるので、「待機期間の有無」と「待機期間がある場合はその内容」は、必ず確認していただきたいポイントです。
免責金額の有無
免責金額とは、治療を受けた際に自己で負担する金額です。
仮に免責金額3,000円の場合、治療費が3,000円以下だと保険金は支払われず、全額自己負担となってしまいます。
かかった治療費が免責金額以上の10,000円の場合は商品によって対応が異なります。
補償割合が70%であるとすると、治療費の70%である7,000円が保険金として支払われる場合や、治療費から免責金額分を差し引いた7,000円の70%である4,900円が支払われる場合などがあります。
低額な治療費を補償して欲しい場合は、免責金額の有無もしっかり確認しましょう。
加入できる年齢・条件
ペット保険には加入時の年齢制限があります。
7~12歳を上限年齢としているペット保険が多く、ペットが高齢になるつれ、加入できるペット保険は限られてきます。
加入前にペットの病歴などを保険会社に告知し、それをもとに加入の引受審査が行われます。持病などがある場合は条件付きでの加入、もしくは加入できないこともあります。
ペット保険の加入を検討しているのであれば、ペットが健康であるうちに備えましょう。

補償割合
ペット保険の多くは全額補償ではなく、治療費の一定割合を保険金という形で受け取れるものです。治療費の何割を保険金として支払ってもらえるのか(これを補償割合と言います)は、各社が提供するペット保険の内容によって異なります。
一般的に補償割合が高いほど保険料は高く設定されています。補償割合をどうするかはご自身の生活スタイルや飼育環境をもとに考えてみてください。
補償限度額と限度日数(回数)
ペット保険は年間に支払われる保険金の合計金額が決まっています。
また、保険会社によっては、通院・入院・手術それぞれに1日(1回)あたりの限度額、限度日数(回数)が設定されています。
年間の限度額までなら自由に利用できるものもあれば、通院は1日あたり1万円まで・年間20日まで、という制限があるものもあります。加入する際は補償限度額や限度日数(回数)も確認しましょう。
補償対象外の確認
ペット保険は全ての治療費を補償するわけではありません。
補償に関する設定はペット保険によって異なり、補償対象外については約款や重要事項説明書に詳しく記載されています。
約款や重要事項説明書をよく確認せずに加入してしまうと、最悪の場合、補償されると思っていた傷病が補償されないことも。認識違いからトラブルに繋がることがあるので、しっかりと確認して加入を検討しましょう。
保険金の受取が後日なのか窓口精算なのか
保険金を受け取る方法は会社によって「後日精算」と「窓口精算」の2種類に分かれます。
■後日精算
こちらは、動物病院を受診して発生した診療費を、一旦契約者が全額負担します。
その後、契約している保険会社がしている必要書類を用意し、保険会社に送付。受領されてから後日保険金が振り込まれます。保険金が振り込まれる日数は会社によって異なります。
保険会社によっては、獣医師に作成してもらう診断書が必要な場合があります。診断書の作成費用が補償されていないものもありますので、事前に確認しましょう。
■窓口精算
加入者としては利用しやすいのが窓口精算です。
診療費を支払う際にペット保険の保険証を提示することで、窓口で保険が適用され、診療費から保険金の請求分を引いた金額を支払います。
後日精算とは違い、書類を用意するといった手間が省けるので、気軽に利用できるメリットがあります。
ただ、窓口精算ができるペット保険でも、すべての動物病院に対応しているわけではありません。対応していない病院で発生した費用は、後日精算という形になります。
保険料の違い
保険料は品種や年齢、補償内容などによって異なります。
加入を検討している保険があれば、実際に見積もりをしてみましょう。
商品によっては、加入時の保険料は安くても、年齢が上がるにつれて保険料が値上がりするプランもあります。
値上がりの仕方は保険会社によって異なり、1~2歳で値下がりしてから3歳以降で値上がりするものもあれば、段階的に値上がりするもの、一定のものとさまざまです。
見積もりの際は、加入時の保険料だけではなく生涯を通した保険料も確認しましょう。
なお、実際に保険商品を選ぶ際は、保険料だけでなく、補償範囲や補償内容なども併せてご検討ください。


まとめ
ペット保険とは、大切な家族であるペットの治療費を補償してくれる保険です。ペットと元気に過ごすためにも、もしものときに備えてペット保険の加入も検討してみてはいかがでしょうか。
保険会社によって補償内容や保険料は異なります。ご紹介したポイントを加入前にしっかり確認したうえで、ご自身にあったペット保険を選びましょう。
最後に、ペット保険選びに役立つ情報をまとめたページをご紹介します。
ペット保険の加入を検討されている方は、こちらも参考にご覧ください。
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どのペット保険に入ろうか迷われている方は、実際にペット保険に加入している方の評判や口コミも参考になさってみてはいかがでしょうか。

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本記事の内容はすべて2020年11月13日時点のものです。