ペット保険とは大切なペットの診療費をカバーしてくれる保険です。
選び方は人それぞれではありますが、多頭割引など、1頭で飼っている場合と複数を飼っている場合で異なるチェックポイントもあります。
そこで、本記事では多頭飼いの方向けに「複数頭の加入」を考慮したペット保険の選び方をご紹介します。
もう1頭迎えたい!と思ったら。多頭飼いのポイントを確認しよう
犬や猫を飼っていてもう1頭新たに迎えたいと思った時、飼い主はどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。
犬を複数飼いたい場合、猫を複数飼いたい場合、犬と猫を飼いたい場合に分けて考えてみましょう。
犬の多頭飼いのポイント
既に犬を飼っていて、新たに犬を迎えたいとなった場合には、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。
まずは、先住犬と新しい犬との相性をチェックしましょう。
先住犬と新しく迎える子が同じ犬種の場合はトラブルになることが少ないようですが、その子たちの性格にもよります。
一緒に暮らし始める前に、可能な範囲で顔合わせをして事前に相性を確認しておくことが大切です。
生活のなかで意識していただきたいのは「新しい犬を迎えてもどちらにも平等に接する」ことです。
はじめは新しく迎えたワンちゃんのほうに手がかかってしまうこともあるかと思いますが、飼い主の愛情が新しい犬に向いていると感じると、先住犬にストレスがかかってしまうことがあります。
お気に入りのおもちゃや場所を取られてしまわないように、最初はあえて先住犬を優先するくらいの意識を持っておくと丁度いいかもしれません。
猫の多頭飼いのポイント
猫も犬と同じように、先住猫との相性が大切です。
猫は縄張り意識が強いので、後から入ってきた猫がその縄張りに入ると警戒心を抱き威嚇をします。慣れるまでは表情や行動をよく観察しながら、徐々に一緒に過ごす時間を増やしていくようにしましょう。
その際、飼い主が新しい猫ばかりかまっていると、先住猫がやきもちを妬いてストレスを感じてしまうことがあります。
まずは先住猫からかまってあげて寂しい思いをさせないように心がけてあげてください。
また、猫はきれい好きのため、ほかの猫が使って汚れた状態のトイレだと排泄ができないことがあります。膀胱炎にもつながるため、トイレは頭数+1個用意するようにして、こまめなトイレ掃除を心がけてください。
犬と猫の多頭飼いで気をつけたいこと
先住犬がいて、新しい子が猫の場合は比較的うまくいきやすいといわれています。
猫は家になつくともいわれており、自分が新しく加わる場合には、すでにその場所に暮らしている犬のことを受け入れやすいからです。
先住猫がいて、新しい子が犬の場合は、注意が必要です。
猫がストレスを感じて体調を崩してしまったり、威嚇をして犬との関係性が悪くなってしまったりすることもあるので、慣れるまでは居住区域をわけるようにしましょう。
多頭飼い、健康に過ごすためのポイントは?
多頭飼いを開始する際は、まずは先住猫・先住犬、お迎えする猫・犬の健康状態をチェックしましょう。
感染症やノミ・寄生虫など伝染する可能性がある病気に罹患している場合や体調が悪い場合には、迎え入れるタイミングを変更したり、生活する場所を分けることを検討してください。
適切なワクチンを接種しておくことも重要です。
また、ペットが多くなるとそのぶん診療費も増加することが考えられます。
大切なペットのために、将来の診療費への備えも検討しておきましょう。
多頭飼いの方向け!ペット保険のチェックポイント
ペット保険に加入すると、保険料を支払うことで、ケガや病気の診療費の一部を補償してもらうことができます。
複数のペットが加入するということを考慮すると、保険料はどうしても気になるポイントだと思います。
ですが、大切な家族の保険なので、保険料だけでなく補償内容を重視してペット保険を選ぶこともトリセツでは大切だと考えています。
ここでは多頭飼いの方向けに、3つのペット保険を選ぶポイントをご紹介します。
ポイント①多頭飼いでも大切!補償内容
複数のペットの保険加入を検討する際に、保険料は気になるかと思います。
しかし、保険料が安くても必要な補償が受けられなければ本末転倒です。
そのため、補償内容はしっかりチェックして納得のいくものを選びましょう。
多頭飼いの方に特に確認していただきたいポイントのひとつが補償対象外項目です。
かかりやすい病気やケガが補償対象外に定められていると、せっかく保険に入っているのに補償を受けることができない可能性もあるので注意が必要です。
犬種や猫種ごとにかかりやすい病気やケガは異なります。
ペットが複数いる場合はそれぞれのかかりやすい病気やケガを調べたうえで、それらがなるべく補償対象外に定められていないペット保険を選ぶことをオススメします。
下の記事では各保険会社の補償対象外項目について解説しています。
ポイント②回数が多いと大変?保険金の請求方法
保険金の請求方法には窓口精算と後日精算があります。
窓口精算とは、動物病院窓口で保険証を提示することで、その場で診療費から保険金が差し引かれる精算方法です。
後日精算とは、動物病院窓口で診療費の全額を支払い、必要な書類を保険会社に郵送などで提出することで後日保険金を受取ることができる精算方法です。
複数のペットを飼育されている場合、1頭で飼う場合よりも動物病院に行く頻度が多くなる可能性があります。
そのため、保険金の請求方法が複雑だと負担になることもあります。
複数のペットを飼育されている方は、窓口精算対応の保険やオンラインでの請求が可能な保険を検討してみるのもいいかもしれません。
アイペット損保、アニコム損保には窓口精算対応プランがあります。
また、アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ」ではLINEでの保険金請求、楽天ペット保険「スーパーペット保険」ではオンラインでの保険金請求、FPC「フリーペットほけん」「入院・手術ペット保険スーパー」ではスマートフォンアプリでの請求が可能となっています。
ポイント③そもそも入れる?新規加入可能年齢
ペット保険には新規加入可能年齢が設定されているものもあり、ペットが高齢になるにつれて加入できる保険の数は少なくなっていきます。
複数のペットが保険に同時加入する場合には、一番年上の子の年齢が加入できる年齢であることを確認しておきましょう。
下記の記事では高齢でも入れるペット保険について解説しています。
番外編:去勢・避妊手術はペット保険の補償対象?
新しい子を迎えるにあたって、犬や猫の去勢・避妊手術を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
手術をするのはかわいそうという意見もありますが、去勢・避妊手術は多頭飼育崩壊という最悪の事態から猫たちを守るためのひとつの手段でもあります。
特に猫は交尾をするとほぼ100%妊娠するともいわれており、きちんと対策をすることは重要です。
上記のように、命を守るためにも大切な去勢・避妊手術ですが、ペット保険では基本的に補償対象外になっています。
去勢・避妊手術のメリット・デメリットや、かかる費用、ペット保険で補償対象外になっている理由等について詳しくしりたい場合は、こちらの記事もご覧ください。
お得な多頭割引も!保険料のチェックポイント
ここまで補償内容のチェックポイントを紹介してきましたが、とはいえ保険料も気になる項目のひとつかと思います。
そこで本項目では、多頭飼いの方向けに保険料のチェックポイントをご紹介します。
補償内容に納得できるペット保険を見つけたら、保険料を確認してみましょう。
多頭割引のあるペット保険一覧
多頭割引とは、複数のペットが同じ保険会社のペット保険に加入する場合や同じ保険会社で複数の保険商品に契約することで受けられる割引のことです。
具体的な内容や適用条件は保険会社ごとに異なります。
ここでは多頭割引を設けているペット保険とその概要を説明します。
アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ」「どうぶつ健保しにあ」
アニコム損保の多頭割引は2頭目以降の年間保険料が600円割引となります(1頭目は適用されません)。多頭割引を適用するためには「契約者名、住所、電話番号」がすべて同一であることが必要です。
割引を受けられるのは加入しているプランがどうぶつ健保「ふぁみりぃ」「しにあ」の場合に限られており、手術・入院特化型の「ぷち」は該当しません。
犬と猫、鳥、うさぎ、フェレットのどの組み合わせでも割引を受けることができます。
アイペット損保「うちの子」「うちの子ライト」
アイペット損保では2~3契約した場合に2%、4契約以上したときに3%の多頭割引があります。多頭割引を受けるためには、氏名・生年月日・住所・電話番号が一致していることが必要です。
加入しているプランが「うちの子」と「うちの子ライト」の組み合わせでも、犬と猫の組み合わせでも割引を受けることができます。
既に契約しているペットがいて追加で契約する場合、既に契約しているペットの多頭割引は次回の継続契約から適用されます。
SBIプリズム少短「プリズムペット」
SBIプリズム少短では2〜3頭加入した場合に5%、4頭以上加入したときに8%の多頭割引があります。
多頭割引を受けるためには、すべての契約の契約者様氏名、支払方法(年払い・月払い)、決済方法(クレジットカード・口座)を統一することが必要です。
多頭割引は犬もしくは猫のプランのみの適用となり、小動物、鳥類、爬虫類の契約では適用されません。
多頭飼いに適したペット保険を選ぼう!
それでは、当サイトに掲載している保険会社の通院・入院・手術をカバーするプランを見ていきましょう。
補償内容一覧
まずは、補償内容を確認します。
あわせて、ご自身のペットのかかりやすい病気が補償対象外になっていないか、各社の重要事項説明書や約款などで確認しましょう。
保険会社/商品名 | 補償割合 | 新規加入可能年齢 | 回数(日数)制限 | 1日(回)あたりの上限金額 | 待機期間 | 窓口精算 | 免責金額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
アニコム損保 どうぶつ健保ふぁみりぃ |
50% | 7歳11ヶ月まで | 通院・入院は年20日まで 手術は年2回まで |
通院・入院は1万円まで 手術は10万円まで |
病気は30日間 | あり | なし |
70% | 通院・入院は1万4,000円まで 手術は14万円まで |
||||||
アイペット損保 うちの子 |
50% | 12歳11ヶ月まで | 通院・入院は年22日まで 手術は年2回まで |
通院・入院は1万2,000円まで 手術は10万円まで |
なし | あり | なし |
70% | 通院は1万2,000円まで 入院は3万円まで 手術は15万円まで |
||||||
FPC フリーペットほけん |
50% | 9歳未満 | 通院は年30日まで 入院は3入院まで(注1) 手術は年1回まで |
通院は1万2,500円まで 入院は12万5,000円まで 手術は10万円まで |
なし | なし | なし |
70% | |||||||
PS保険 | 50% | 8歳11ヶ月まで | 通院は年20日まで 入院は年30日まで 手術は年2回まで |
通院は1万円まで 入院は2万円まで 手術は10万円まで |
なし | なし | なし |
70% | |||||||
100% | |||||||
楽天損保 スーパーペット保険 通院つきプラン |
50% | 満11歳未満(10歳11ヵ月まで) | 通院は年22日まで 入院は年25日まで 手術は年3回まで |
通院・入院は1万2,000円まで 手術は12万円まで |
病気は30日間 | なし | なし |
70% | 通院・入院は1万5,000円まで 手術は15万円まで |
||||||
ペット&ファミリー損保 げんきナンバーわんスリム |
50% | 満7歳まで | なし(年50万円まで) | 病気(ガンを除く)は30日間 ガンは90日間 |
なし | 1日5,000円 | |
70% | なし(年70万円まで) | ||||||
SBIプリズム少短 いつでもパック バリュー |
100% | 満8歳未満 | 通院は年間30日まで 入院は年間30日まで 手術は年2回まで |
通院は日額8,000円まで 入院は1日あたり基準額12,000円まで 手術は1回90,000円まで |
ガンは45日間 | なし | 3,000円 ※犬猫のみ。12歳の契約更新時にのみ免責金額の設定をいただけます。 ※免責金額の設定ができるのは通院保険金のみです。 ※免責金額後の保険料はSBIプリズム少短のHPをご覧ください。 |
SBIいきいき少短 スタンダードプラン(注2) |
50% | 11歳11ヶ月まで | なし(年50万円まで) | 病気は1ヶ月間 | なし | なし | |
70% | なし(年70万円まで) |
※保険期間は1年間、満期返戻金なし
(注1)FPCは入院してから退院するまでを1入院としてカウント
(注2)SBIいきいき少短は免責金額なしのスタンダードプランの場合
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
保険料を比較
次に、各プランの保険料を確認しましょう。
ただし、保険料は犬種や猫種によって異なります。
ご自身が飼われているペットそれぞれの保険料を確認し、総合的に比較することが大切です。
ここでは、あくまでご参考まで「猫、補償割合70%、月払、各種割引制度の適用無し、選択可能なオプション特約は選択しない」という条件で、各社の保険料をご紹介します。
※この保険料表示にかかる詳細な前提条件は、保険料表の直下に記載していますので、そちらでご確認ください。
高齢時の保険料は高くなりがちですので、継続契約を念頭に置かれている方は、加入時の保険料だけでなく、将来の保険料を確認しておくことも大切です。
なお、実際に保険商品を選ぶ際は、保険料だけでなく、これまでに紹介した補償範囲や補償内容等もあわせてご検討ください。
保険会社/商品名 | 補償割合 | 1歳 | 5歳 | 10歳 | 多頭割引 |
---|---|---|---|---|---|
アニコム損保 どうぶつ健保ふぁみりぃ |
70% | 3,170 | 3,470 | 4,820 | 2頭目以降の年間保険料が600円割引 |
アイペット損保 うちの子 |
70% | 2,990 | 3,260 | 4,990 | 2~3契約で2%、4契約以上で3%割引 |
FPC フリーペットほけん |
70% | 1,950 | 2,930 | 2,930 | なし |
PS保険 | 70% | 1,970 | 2,170 | 2,750 | なし |
楽天損保 スーパーペット保険 通院つきプラン |
70% | 2,350 | 2,750 | 5,270 | なし |
ペット&ファミリー損保 げんきナンバーわんスリム |
70% | 1,490 | 1,880 | 3,020 | なし |
SBIいきいき少短 プラン70スタンダード |
70% | 1,440 | 1,539 | 3,960 | なし |
【上表の保険料の前提条件】
・各社の保険料表に基づいて作成。
・猫、補償割合70%、月払、各種割引制度の適用無し、選択可能なオプション特約は選択しない。
・なお、SBIプリズム少短は70%補償プランがないため、上表では表示していない。
【各社個別の条件】
・アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ」の保険料は、基本保険料で表示(保険の利用状況によって適用される割増引を考慮していない。)
・PS保険は補償開始日時点で生後30日以上120日未満の場合で算出(インターネットによる申込)。
・ペット&ファミリー損保「げんきナンバーわんスリム」の保険料は、継続保険料で表示。
・ペット&ファミリー損保「げんきナンバーわんスリム」は1日5,000円の免責金額があります。
・SBIいきいき少短「プラン70スタンダード」は、WEB申込の場合の保険料を表示。
【注意事項等】
※保険料は、今後の商品改定等により変更となる場合があります。
※ペットの健康状態等による引受基準は各社によって異なります。
※ペット保険に加入する際、前提となる条件の違いにより保険料が異なる場合があります。実際に適用される保険料については、保険会社に問い合わせたうえで商品を選択しましょう。
※ペット保険は、保険料だけではなく、契約条件や補償内容などの要素も考慮したうえで比較・検討してください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
まとめ
ペット保険の中には、多頭飼いの方にお得な多頭割引を実施しているものもあります。
しかし、割引だけでなく、補償内容をきちんと確認したうえで総合的に保険料を比較することが大切です。
今回ご紹介したポイントが、多頭飼いの方のペット保険選びのお役に立てれば幸いです。
多頭割引以外の比較方法はこちら
家族の一員であるペットの保険を選ぶ際には、多頭割引以外の観点からもペット保険を比較してみることをオススメします。
下記の記事では補償内容やランキング、口コミなど様々な観点からペット保険を比較する方法をご紹介しています。
愛するペットにぴったりの保険を見つけたい!という方はこちらの記事もご覧ください。
【募集文書番号】アイペット損害保険株式会社:募2406-058(26.04)/アニコム損害保険株式会社:W2112-0111/SBIいきいき少額短期保険株式会社:B2-24-J-0238(2024.08)/SBIプリズム少額短期保険株式会社:JACAP202300043/株式会社FPC:AL-KY231220-019(24.12)/ペット&ファミリー損害保険株式会社:24D071-240701/ペットメディカルサポート株式会社:ANI211115