ペット保険はペットの診療費に備えるための保険ですが、実はすべてのケガや病気の診療費が補償されるわけではありません。
各商品に補償対象外項目が定められており、該当するケガや病気の診療費に関しては保険金の支払いの対象外となります。
「補償されると思っていたのに、実は補償対象外だった」
といった事態に陥らないようにするためにも、本記事で検討しているプランの補償対象外項目を確認しておきましょう。
そもそもペット保険は何を補償してくれる?
ペット保険は、ペットの診療費に備えて加入する保険ですが、動物病院でかかった費用がすべて補償されるというわけではありません。
まずは、どんな場合に保険金を受け取ることができるのかを確認しておきましょう。
ペット保険の補償範囲や条件
ペット保険は、補償範囲や補償割合、限度額・限度日数(回数)などといった条件の中で、補償対象となる診療費に対して保険金が支払われる仕組みになっています。
これらの条件は商品によって異なるので、各商品の約款や重要事項説明書などをよく確認しておかないと、加入してから認識違いによるトラブルに繋がることがあります。
以下のページでは、ペット保険の補償に関する注意点をまとめています。
こちらも参考にしてみてください。
各社はどんな項目を補償対象外としているの?
商品によって補償対象外となる項目はさまざまです。
保険に加入していても、補償対象外に定められている事項に該当するケースでは、保険金を受け取ることはできません。
多くの商品で補償対象外になっている項目としては、以下のようなものがあります。
- 保険加入前および待機期間中のケガや病気、先天性異常により発生した費用
- ペット保険の契約者(保険料を支払う人)や被保険者(飼い主)の行為によって発生した費用
- 自然災害による費用
- 予防接種など病気の予防にかかる費用
- 予防接種で防ぐことができる病気になった場合の治療費用
- マイクロチップの挿入費用
- 健康診断など健康な状態で行う検査費用
- アロマセラピーなどの代替医療にかかる費用
- サプリメントなど健康食品・医薬部外品にかかる費用
- 時間外診療費や往診料、カウンセリングなどの治療に付帯してかかる費用 など
他にも、補償対象外に定められているケガや病気があります。
その中には「歯周病」「膝蓋骨脱臼(パテラ)」「椎間板ヘルニア」「股関節形成不全」など、ペット保険会社で補償対象外かどうかが分かれるものもあります。
ここでは、各社の重要事項説明書に記載されている補償対象外項目の一例を紹介し、「歯周病」「膝蓋骨脱臼(パテラ)」「椎間板ヘルニア」「股関節形成不全」について補償対象外項目に定めているかを確認していきます。
FPC|フリーペットほけん
<補償対象外項目の一例>
- 交配、妊娠、出産、去勢避妊、およびそれらによって生じた症状および傷病 など
- 爪切り(狼爪の除去を含む)、乳歯遺残、停留睾丸、臍ヘルニア、歯石取り、肛門腺絞り、耳掃除、断耳、断尾、睫毛乱生、その他生来の身体に対する処置 など
※参照元:FPC/重要事項説明書
FPCでは「歯周病」「膝蓋骨脱臼(パテラ)」「椎間板ヘルニア」「股関節形成不全」を補償対象外項目に明記していません。
ただし、実際の保険金の支払いは、「補償開始前からの症状か」などを含め保険会社が審査・査定を行ったうえでの判断となります。
また、前提条件の相違などにより補償内容が異なる場合があるので、実際に補償されるかどうかは保険会社に問い合わせてみましょう。
※補償対象外となるすべてのケガ・病気を記したものではありません。詳細は、重要事項説明書および約款でご確認ください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
SBIいきいき少短のペット保険
<補償対象外項目の一例>
- 獣医学の水準から先天性・遺伝性疾患によって生じたと判断されるケガ・病気
- 不妊・去勢手術、断耳・断尾、声帯除去、爪切除(狼爪切除を含みます)、美容整形手術、その他ケガ・病気の治療目的に該当しない外科手術
- 交配・妊娠・偽妊娠・出産・早産・流産またはこれらの治療により生じたケガ・病気
※母体救命措置として行う緊急性を伴う帝王切開は、お支払いの対象となります。- 停留睾丸・膝蓋骨脱臼・臍ヘルニア・鼠径ヘルニア・椎間板ヘルニア
- 歯科治療・口腔外科治療
※ケガの治療目的で行われる場合はお支払いの対象となります。- 健康体に行われた処置(ケガ・病気の治療目的でない耳道の洗浄・肛門腺しぼり・除毛・抜毛等)や検査 など
※参照元:SBIいきいき少短/ご契約に際しての大切な事柄(契約概要、注意喚起情報 等)
「SBIいきいき少短のペット保険」では「歯科治療・口腔外科治療」を補償対象外と定めています(※ケガの治療目的で行われる場合はお支払いの対象となります)。
そのため「歯周病」に関しては補償対象外になると思われます。
「膝蓋骨脱臼」「椎間板ヘルニア」に関しても補償対象外項目に定められています。
「股関節形成不全」に関しては補償対象外項目に明記していません。
※補償対象外となるすべての病気・ケガを記したものではありません。詳細は、重要事項説明書および約款でご確認ください。
※実際の保険金の支払いについては、「補償開始前からの症状か」などを含め保険会社が審査・査定を行ったうえでの判断となります。また、前提条件の相違等により補償内容が異なる場合があるので、実際に適用される補償内容について保険会社に問い合わせたうえで商品選択を行ってください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、「ご契約に際しての大切な事柄(契約概要、注意喚起情報 等)」および「約款」にて必ず全般的にご確認ください。
SBIプリズム少短|プリズムペット
<補償対象外項目の一例>
- 先天性の障害およびこれに起因する障害
- 以下の障害およびこれらに起因する障害
狂⽝病、フィラリア感染症、鼠径ヘルニア、膝蓋骨脱臼、股関節形成不全症、レッグペルテス、てんかん、停留睾丸、チェリーアイ、気管虚脱および猫免疫不全ウイルス感染症- 繁殖行為ならびに妊娠、出産、早産、流産および帝王切開に関する処置
- 歯削(歯切)および歯石除去ならびに歯肉、歯牙、歯周病、不正咬合等の⼀切の歯科処置
- 断⽿、断尾、臍ヘルニアなどの美容整形を目的とした処置 など
※参照元:SBIプリズム少短/重要事項説明書
「プリズムペット」では「歯に係る一切の治療措置」を補償対象外としています。
そのため「歯周病」は補償対象外になると思われます。
「膝蓋骨脱臼」「股関節形成不全」に関しても先天性または後天性に関わらず補償対象外に指定されています。
「椎間板ヘルニア」に関しては補償対象外項目には明記していません。
※補償対象外となるすべてのケガ・病気を記したものではありません。詳細は、重要事項説明書および約款でご確認ください。
※実際の保険金の支払いについては、「補償開始前からの症状か」などを含め保険会社が審査・査定を行ったうえでの判断となります。また、前提条件の相違等により補償内容が異なる場合があるので、実際に適用される補償内容について保険会社に問い合わせたうえで商品選択を行ってください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
アニコム損保|どうぶつ健保ふぁみりぃ
<補償対象外項目の一例>
- 去勢(停留睾丸による去勢を含む)・避妊手術 等
- 乳歯遺残、停留睾丸、睫毛乱生、涙やけ、臍(サイ:へそ)ヘルニア、そけいヘルニア 等
- 歯石取り、過長歯に起因するすべての処置(不正咬合を含む)、肛門腺しぼり 等
- 耳掃除、爪切り〔狼爪(ろうそう)の除去を含む〕、断耳、断尾 等
※参照元:アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ」/重要事項説明書
アニコム損保では「歯周病」「膝蓋骨脱臼(パテラ)」「椎間板ヘルニア」「股関節形成不全」を補償対象外項目に明記していません。
ただし、実際の保険金の支払いは、「補償開始前からの症状か」などを含め保険会社が審査・査定を行ったうえでの判断となります。
また、前提条件の相違などにより補償内容が異なる場合があるので、実際に補償されるかどうかは保険会社に問い合わせてみましょう。
※補償対象外となるすべてのケガ・病気を記したものではありません。詳細は、重要事項説明書および約款でご確認ください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
アイペット損保|うちの子
<補償対象外項目の一例>
- 交配・妊娠・出産(早産、帝王切開、流産、人工流産を含みます)ならびにそれらによって生じた症状および傷病
- 去勢、避妊、歯石取り、歯切り・歯削り(不正咬合を含みます)、爪切り(狼爪の除去を含みます)、 耳掃除、肛門腺しぼりおよびこれらに伴う処置ならびに乳歯遺残、停留 睾丸、臍ヘルニア、そけいヘルニアに対する処置
※他の傷病の治療の手段としてこれらの処置またはこれらに対しての処置を行った場合を除きます。※参照元:アイペット損保「うちの子」/重要事項説明書
アイペット損保では「歯周病」「膝蓋骨脱臼(パテラ)」「椎間板ヘルニア」「股関節形成不全」を補償対象外項目に明記していません。
ただし、実際の保険金の支払いは、「補償開始前からの症状か」などを含め保険会社が引受審査・査定を行ったうえでの判断となります。
また、前提条件の相違などにより補償内容が異なる場合があるので、実際に補償されるかどうかは保険会社に問合せてみましょう。
※補償対象外となるすべてのケガ・病気を記したものではありません。詳細は、重要事項説明書および約款でご確認ください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
PS保険
<補償対象外項目の一例>
- 股関節形成不全等の遺伝性疾患
- 健康体に施す外科的手術その他の医療、検査処置および、それらの処置によって生じた身体障害
(被保険動物の正常な妊娠、出産、帝王切開(母体救命措置の場合を除く)、早産、流産および人工流産、不妊手術、去勢手術、爪切り(狼爪の除去を含む)、停留睾丸、臍ヘルニア、乳歯遺残、歯石取り、断耳、断尾、美容整形手術、声帯の除去、疾病予防のための薬・注射費用) など※参照元:PS保険/重要事項説明書
「股関節形成不全」はペット保険によって補償対象となるかどうか分かれる項目ですが、PS保険では「股関節形成不全」を補償対象外と記載しています。
「歯周病」「膝蓋骨脱臼(パテラ)」「椎間板ヘルニア」に関しては補償対象外項目に明記していません。
※補償対象外となるすべてのケガ・病気を記したものではありません。詳細は、重要事項説明書および約款でご確認ください。
※実際の保険金の支払いについては、「補償開始前からの症状か」などを含め保険会社が審査・査定を行ったうえでの判断となります。また、前提条件の相違等により補償内容が異なる場合があるので、実際に適用される補償内容について保険会社に問い合わせたうえで商品選択を行ってください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
楽天損保|スーパーペット保険
<補償対象外項目の一例>
- 交配・妊娠・出産・早産・帝王切開・流産および人工流産
- 歯石除去費用および乳歯遺残、不正咬合
- 去勢、避妊および不妊治療
- 停留睾丸、臍ヘルニア
- 肛門腺除去、肛門嚢絞り等
- 健康体に施す外科的手術やその他の医療・検査処置
- 断耳、断尾、声帯除去および美容整形など傷病の治療を目的としない手術
- 爪切り(狼爪の除去を含みます) など
※参照元:スーパーペット保険(正式名称:ペット保険2020)/重要事項説明書
楽天スーパーペット保険では「歯周病」「膝蓋骨脱臼(パテラ)」「椎間板ヘルニア」「股関節形成不全」を補償対象外項目に明記していません。
ただし、実際の保険金の支払いは、「補償開始前からの症状か」などを含め保険会社が審査・査定を行ったうえでの判断となります。
また、前提条件の相違などにより補償内容が異なる場合があるので、実際に補償されるかどうかは保険会社に問い合わせてみましょう。
※補償対象外となるすべてのケガ・病気を記したものではありません。詳細は、重要事項説明書および約款でご確認ください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
ペット&ファミリー損保|げんきナンバーわんスリム
<補償対象外項目の一例>
- 臍ヘルニア・そけいヘルニア・停留睾丸・乳歯遺残(不正咬合を含みます)
※病化し、その治療である場合は保険金のお支払い対象となります。- 交配・妊娠・出産(死産を含みます)・帝王切開・早産・流産・人工流産またはこれらによって生じたケガ・病気
- 治療を伴わない介護やリハビリテーション費用
- 断尾・断耳
- 声帯除去
- 美容整形手術(歯列矯正を含みます)
- 爪切除(狼爪切除を含みます)
- 避妊手術・去勢手術
- 歯石除去
※歯周病治療と合わせて行う歯石除去は保険金支払の対象に含みます。- 安楽死 など
※参照元:ペット&ファミリー損保「げんきナンバーわんスリム」/重要事項説明書
げんきナンバーわんスリムでは「歯周病」「膝蓋骨脱臼(パテラ)」「椎間板ヘルニア」「股関節形成不全」は補償対象です。
ただし、実際の保険金の支払いは、「補償開始前からの症状か」などを含め保険会社が審査・査定を行ったうえでの判断となります。
また、前提条件の相違などにより補償内容が異なる場合があるので、実際に補償されるかどうかは保険会社に問い合わせてみましょう。
※補償対象外となるすべてのケガ・病気を記したものではありません。詳細は、重要事項説明書および約款でご確認ください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
ケガや病気をしていても加入できる?
ペットがケガや病気をしたことをきっかけに、ペット保険への加入を検討し始めた方も多いでしょう。
これまでペットがケガや病気をしている場合でも、ペット保険には加入できるのでしょうか?
条件付きで加入できることも
ペット保険の申込みでは、ペットの年齢や種類の他に、病歴の告知も必要です。
この告知内容を元に、保険会社が加入審査を行い、加入可否が判断されます。
過去にケガや病気をしていた・現在患っている場合、審査によっては特定のケガや病気を補償対象外にする条件付きでの加入(特定疾病不担保)となることもあります。
ペット保険を加入検討中の方へ
ペット保険は、ペットの診療費に備える1つの方法です。
今回紹介したように保険会社によって特徴が異なるので、ペット保険を理解し、各社を比較・検討して希望に合うペット保険を選びましょう。
犬の病気ごとに補償対象か確認する
今回の記事では会社ごとに補償対象外項目の一部を紹介しましたが、下記の記事では病気ごとに各ペット保険で補償対象かどうかを確認することができます。
病気の治療にかかる費用や病気になりやすい犬種などもあわせて紹介しているので、ペット保険選びの参考になさってみてください。
犬・猫のペット保険を比較する
「保険会社やプランが多すぎて、どの保険を選んだらいいのかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。下記の記事では補償内容や人気ランキング、口コミ・評判など様々な観点からおすすめの比較方法をご紹介します。
ファイナンシャルプランナーから見たペット保険の補償対象外項目
ペット保険に加入する前に約款の確認は必須です。
特に補償対象外になる部分はトラブルになりやすいので、しっかり確認しましょう。
ペットの手術は自己負担が大きく、手術内容によっては貯金を大きく取り崩すことも考えられます。
保険給付が受け取れるかどうかは家計への影響が大きいので、非常に大切です。
ご自身で補償対象かどうかを調べるのが難しい場合は、ペット保険会社に直接問い合わせたり、ペット保険を取り扱っている代理店で確認したりする方法も有効です。
補償範囲が広い保険は保険料が高くなる傾向にあり、補償範囲が小さい保険は保険料が比較的安価です。
家計とのバランスを見ながら、大切なご家族であるペットを守るために、保険料だけでなく、補償の範囲も考慮してペット保険を選びましょう。
まとめ
ペット保険には補償対象とはならないケガや病気、条件が決められていることを紹介しました。
補償対象外項目の内容は、重要事項説明書にすべて記載されていない場合もありますので、約款もしっかり確認しておきましょう。
【募集文書番号】アイペット損害保険株式会社:募2402-382(26.03)/アニコム損害保険株式会社:W2301-0056/SBIプリズム少額短期保険株式会社:JACAP202300043/株式会社FPC:AL-KY231220-029(24.12)/ペット&ファミリー損害保険株式会社:24D153-240718/ペットメディカルサポート株式会社:ANI211115