症例編

猫の尿路結石症|ペット保険の補償対象?尿石症でも入れる保険は?

多くの猫がかかるといわれている尿石症は、一度かかってしまうと再発を繰り返すことがあるため注意が必要な病気です。
本記事では「ペット保険で尿石症は補償対象?」「尿路結石症でも入れるペット保険はある?」などの気になるポイントをかかりやすい猫種、治療費、ペット保険での補償事例などとあわせてご紹介します。
猫のペット保険を探している方はぜひご一読ください。

尿路結石症(尿石症)はどんな病気?

尿石症は、腎臓で作られた尿が排泄されるまでに通る「腎臓」「尿管」「膀胱」「尿道」などの尿路のどこかに結石ができる病気で、結石ができる部位によって「膀胱結石」や「尿道結石」などの病名がつけられます。尿路で結石が詰まった場合には腎不全を引き起こすこともあり、重症化すると命にかかわることのある病気でもあります。
アニコムの家庭どうぶつ白書2019によると、「尿石症」と「膀胱結石」がそれぞれ通院での請求理由の20位以内に入っていることから、猫は尿石症にかかりやすいことがわかります。

かかりやすい猫種は?

スコティッシュフォールドやマンチカンのように、アメリカンショートヘアの血が入っている猫種は尿路結石になりやすいともいわれています。
また、オスは尿道が細長くカーブしているところがあり、先端も細くなっているので、メスよりも結石が尿道に詰まりやすく、重症化しやすいといわれています。肥満の猫も尿路結石になりやすいといわれているため注意が必要です。

参照元:麻布大学付属動物病院における猫の尿管結石の後発品種に関する検討: 高柳明子他 日獣会誌 68. 761~764(2015)

尿路結石症(尿石症)の症状

一般的には、トイレに行く回数が増えるが、尿の量が少ない、尿にキラキラしたものが混じっているといった症状が見られます。
ただし、尿石症といっても、結石ができる部位によって症状が異なります。
部位別に確認していきましょう。

腎結石

健康診断などで偶然発見されることがありますが、基本的にはあまり症状がみられません。なかには尿に異常が起こるケースもあります。

尿管結石

血尿、頻尿など尿の異常や食欲不振、嘔吐が初期の症状としてあります。進行すると尿毒症を引き起こし、命にかかわることもあります。

膀胱結石

膀胱が細菌に感染することで膀胱炎を引き起こすことがあります。排尿姿勢を取っても尿がほとんど出ない、排尿回数は多いが排尿量が少ない、血尿、トイレ以外の場所での排尿、外陰部を気にするなどが主な症状です。

尿道結石

膀胱でできた結石が尿道で詰まり、尿道閉塞を起こすことがあります。頻繁にトイレに行くのに排尿がない、トイレでうずくまっているなどが症状としてみられます。1日以上排尿ができないと尿毒症を起こし命にかかわることがあります。

尿路結石症(尿石症)の原因

尿に含まれるカルシウム、マグネシウム、アンモニアなどのミネラル成分が結合することで結晶化し、結晶が集まって大きくなると結石になります。
結石にも種類があり、代表的なものは2つあります。ひとつめは尿がアルカリ性になることでできやすくなる、比較的若い猫に多い「ストルバイト」。ふたつめは尿が酸性になることでできやすくなる、中~高齢の猫に多い「シュウ酸カルシウム」です。
偏った食生活、水分不足、ストレスなどが、結晶のできる要因になると考えられています。

尿路結石症(尿石症)の治療方法と治療費は?

尿路結石症(尿石症)の治療方法

結石のできた部位や症状によって治療法はさまざまです。部位ごとにみていきましょう。

腎結石

特に症状が無いことが多いため、検査で状態を見ながら経過観察を行うことが多いです。結石の大きさによっては腎臓の機能に影響を及ぼすことがあるため、手術で結石を摘出することも稀にあります。

尿管結石

尿管に結石ができた場合は閉塞を起こすことがあります。閉塞により腎臓内に尿が溜まると腎臓組織を圧迫してしまい腎障害を引き起こすため、一刻も早い治療が必要になります。
閉塞した場合には緊急の手術が必要となり、腎臓と膀胱のバイパス手術を行うこともあります。

膀胱結石

結石の大きさによっては膀胱を切開し手術で結石を取り除きます。手術で摘出した後は、再発予防のために結石の成分にあわせて食事を療法食に変更したり、内服薬で治療を行います。

尿道結石

尿道が閉塞しておらず軽度な症状の場合には内科療法で治療を行います。閉塞していたり排尿をしづらい場合には、尿道口からカテーテルを入れて結石を膀胱に押し戻して尿道のつまりを解消し、膀胱内の洗浄を行います。結石が取れない場合や再発を繰り返す場合には手術を行うこともあります。

尿路結石症(尿石症)の治療費例

アニコムの家庭どうぶつ白書2019によると、猫の尿石症での1回あたりの平均診療費は8万2千円ほどです。膀胱結石では1回あたりの平均診療費は12万2千円ほど、膀胱結石の1回あたりの平均手術費用は19万2千円ほどです。
またFPCによると、膀胱結石で4回の通院と1回の手術をした場合、手術費用が15万円ほど、通院費用が2万円ほどで、合計17万円ほどかかった例があるようです。

尿路結石症(尿石症)でも入れるペット保険はある?

ペット保険では、持病がある場合や特定の傷病での既往歴がある場合には加入ができないことがあります。
「尿路結石症(尿石症)」での既往歴がある場合に加入不可と公式サイトや重要事項説明書に明記している保険会社は以下のとおりです。

  • PS保険

ただし、「尿石症」が加入不可であると明記が無い保険会社であっても、治療中の場合など引受審査の結果によってはペット保険に加入できないケースもあります。
尿石症の猫の保険を探している方は、まずは保険会社に加入できるかどうか問い合わせをしてみましょう。

また、加入ができる場合であっても、既往歴がある傷病によっては免責事項として補償の対象外になる場合もあります。加入の際には条件をよく確認するようにしましょう。

※健康状態等による引受基準は各社によって異なるため、各社の公式サイトや重要事項説明書で加入不可と明記していなくても加入不可となることもありますので、予めご了承ください。
※健康状態等による引受基準は各社によって異なるため、実際の加入可否は各社にお問い合わせください。
※ここには保険商品の内容の全てを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。

尿路結石症(尿石症)はペット保険で補償される?

トリセツでご紹介しているペット保険では、尿路結石症(尿石症)を補償対象外項目に明記している保険会社はありませんでした。

ただし、補償対象外として尿路結石症(尿石症)の記載が無い保険会社の場合であっても、尿路結石症(尿石症)になった後に保険に加入した場合は特約が付帯され、補償の対象外となることもあります。
このようなケースでは、尿路結石症(尿石症)だけでなく、泌尿器系全般の病気が補償対象外となってしまうこともあるようです。
可能であれば、病気になる前の健康なうちに、ペット保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

※補償対象外となる全ての病気・ケガを記したものではありません。詳細は、重要事項説明書および約款でご確認ください。
※実際の保険金の支払いについては、「補償開始前からの症状か」などを含め保険会社が審査・査定を行ったうえでの判断となります。また、前提条件の相違等により補償内容が異なる場合があるので、実際に適用される補償内容について保険会社に問い合わせたうえで商品選択を行ってください。
※ここには保険商品の内容の全てを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。


・アニコム損保/重要事項説明書
・アイペット/重要事項説明書
・FPC/重要事項説明書
・PS保険/重要事項説明書
・楽天ペット保険/重要事項説明書
・ペッツベスト/重要事項説明書
・ペット&ファミリー げんきナンバーわん/重要事項説明書
・ペット&ファミリー げんきナンバーわんスリム/重要事項説明書
・アクサダイレクト/重要事項説明書
・au損保/重要事項説明書
・SBIプリズム少短/重要事項説明書
・SBIいきいき少短/ご契約に関しての大切な事柄
・日本ペット/重要事項説明書
・イーペット/重要事項説明書
・イオン/重要事項説明書

尿路結石症(尿石症)の保険金支払事例

実際にペット保険に加入していた場合、どのくらい保険金が支払われたのか保険金支払事例を確認してみましょう。

<手術費用>4歳のアメリカンショートヘアが尿石症と診断され、手術を行った例

診療項目 金額
診察 800円
入院(2泊3日) 9,000円
検査 25,000円
全身麻酔 17,500円
手術 45,000円
結石分析 4,500円
点滴 12,600円
処置 6,000円
注射 5,400円
お薬 2,000円
合計 127,800円
ペット保険の補償額
(うちの子70%プランの場合)
89,460円
飼い主の自己負担額 38,340円

参照元:アイペット|猫の手術・通院費用はどれくらいかかる?

<手術費用>12歳のスコティッシュフォールドが尿石症、膀胱炎と診断され、手術を行った例

診療項目 金額
通院(10日間) 93,640円
入院(10日間) 123,990円
手術(1回) 75,600円
合計 293,230円
ペット保険の補償額
(通院つき70%プランの場合)
205,260円
飼い主の自己負担額 87,970円

参照元:楽天ペット保険|猫の保険をお探しの方に/月々730円からのペット保険

結石の大きさや結石ができた部位にもよりますが、尿石症になった場合は手術が必要になるケースも多く治療費が高額になりやすいです。また、手術後も再発防止のために定期的な通院が必要となることもあるため、通院・入院・手術の全てが必要になることもあります。
万が一尿石症になった時に十分な治療を受けさせてあげられるように、ペット保険に加入して備えておくことを選択肢のひとつとして検討してみるのも良いかもしれません。

尿路結石症(尿石症)の予防法は?

日常の食生活に気を付ける、十分な水分を取る、ストレスを減らす、定期的に尿検査を行うことなどが尿石症の予防になります。
また、一度尿石症になると完治後も再発を繰り返すことが多いため、食事などの生活習慣の見直しなど、再発予防を心がける必要があります。
結石の種類によって効果が期待できる療法食は変わってくるため、獣医師と相談したうえで療法食を選択するようにしましょう。

まとめ

尿路結石症(尿石症)は一度なってしまうと、再発を繰り返すことが多い病気です。尿石症になってしまうと、加入できる保険会社や補償の範囲が狭まってしまうこともあります。いざという時の尿石症に備えるために、ペット保険の加入を検討してみても良いかもしれません。

尿石症以外の補償対象外項目は?

ペット保険では尿石症以外にも補償対象外項目に定められている猫の病気があります。
他の猫のかかりやすい病気や健康診断、去勢・避妊手術等に関して保険が適用されるか知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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本記事の内容はすべて2021年6月7日時点のものです。