また、病気を発症した際にみられる兆候についても合わせて解説します。
ハムスターの性格や特徴

動物を飼った経験がない人や、子どもにもペットとして飼いやすいハムスター。
ねずみと同じげっ歯類に属する動物ですが、どのような性格なのでしょうか?
それぞれの特徴について解説します。
警戒心が強く人に慣れるまでには時間がかかることも
天敵の多いハムスターは警戒心が強く、人になつきにくいといわれています。しかし、ハムスターの気持ちに合わせながら生活を共にすることで、次第に慣れていき、なついていくことも少なくありません。
当然個体差はあるものの、無理に触りすぎたりせず、毎日少しずつスキンシップを取って距離を縮めていくよう心がけましょう。
夜行性のため遅い時間帯に活発になる
ハムスターは夜行性であるため、夕方から夜の時間帯に活動するのが主になります。
野生のハムスターは、1日に数十kmもの距離を走るといわれており、夜から朝にかけてケージ内の回し車などを使って、活発に運動をします。
飼育する際には、ハムスターが規則正しい生活リズムを送れるよう、夜間は部屋の照明などの取り扱いに注意しましょう。
綺麗好きで狭いところにいることを好む
ハムスターは綺麗好きなことでも知られています。毎日砂浴びをしたり、決められた場所で排泄をするなど、とても賢い一面があるのです。
そのため、ケージ内の飼育環境は清潔に保つ必要がありますが、一方でハムスターは縄張り意識も強いことから、こまめに掃除をしすぎてしまうとかえってストレスを与えてしまうことにも繋がりかねません。
トイレは毎日、ケージ内の糞の撤去は2週間に1度、そして月に1度、飼育道具全ての丸洗いを目安に行うと良いでしょう。
また、ハムスターは寝たり食事をしたりするときには狭い場所を好む習性があります。ケージ内には周囲から身を隠せるような巣箱を設置するようにしましょう。
品種によって性格や特徴が異なることも
ここまでハムスターに共通してみられる性格や特徴について紹介しましたが、これらは品種によっても異なる場合があります。
ハムスターの中で、人気の高い品種やそれぞれの性格などについては下記記事にて詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

ハムスターに必要な飼育環境

ハムスターにとって快適な環境で飼育をするために、必要になるのが飼育用ケージです。
ハムスター用のケージには、様々な種類があり、体長によって選ぶサイズもさまざまです。
また、ハムスター用のケージであればセットになっていることも少なくありせんが、ケージ内に必要な他の飼育グッズについて紹介します。
ケージ
ハムスター用のケージは種類が豊富で、代表的なものには、シンプルな金網タイプやプラスチックタイプ、ガラスやアクリルなどの水槽タイプがあります。
ケージを選ぶ際には、まず体長に合わせた広さのものを選ぶことが重要です。
運動量の多いハムスターにとって、自分の体の大きさに合わない狭い環境はストレスに繋がります。
手入れのしやすさと安全性が両立できるかという観点で選ぶと良い
そして、清潔な状態が維持できるような、手入れのしやすいシンプルなつくりであること、ハムスターにとって安全性が高いつくりであるいことの2点も合わせて確認しましょう。
例えば金網タイプなどは、通気性が確保できるだけでなく、清掃がしやすく清潔に保てる一方で、骨の弱いハムスターが金網に脚を挟んだり、ぶら下がって落下したりすることでケガをしてしまうリスクもあります。
一方で、水槽タイプは手入れがしにくい、通気性が悪いなどのデメリットがあります。
豊富な種類の中から、ハムスターにとって快適な環境を維持しながら安全に飼うことのできるケージを選びましょう。
回し車
1日の運動量の多いハムスターにとって、ケージ内の回し車は必要不可欠です。
ハムスターはケージ内の回し車を使用して、数十km走るといわれているため、設置しないと運動不足による肥満に繋がってしまったり、ストレスが溜まりやすくなったりしてしまいます。
回し車には、足や台がついて自立するスタンド型のものや、ケージの側面に取り付けて固定するタイプがあります。スタンド型は、ハムスターが激しく走ることで転倒してしまう可能性があり、固定型は転倒する恐れが無い代わりに、固定したケージごと揺れるため大きな音が鳴る可能性があります。
静音性や安全性の高さにも注目
ハムスターが回し車を使用して走るのは夜間になるため、寝ているときに音が気にならないよう静音性の高い製品を選ぶことも重要です。「サイレントタイプ」「静音タイプ」と明記されているものだと安心でしょう。
また、ハムスターが回し車を使用している最中にがケガをしてしまうことのないよう、安全性の高いものを選ぶことも大切です。踏み外しやすいはしご状のものやメッシュ状のものは避けて、フラットなものを選ぶと良いでしょう。
また、足を挟んでしまうことのないよう、台座とホイールの間に隙間のないものを選ぶことも大切です。
巣箱
ハムスターにとって自分の部屋にあたる巣箱は、自らの身を隠して安心できるため、日中に寝たり、寒さから身を守ったり、メスの場合には出産や子育てをする場所としての役割を担います。
ハムスターのサイズに合った大きさのものを選ぶことはもちろん、細菌の繁殖しにくい陶器製や、通気性に優れて噛むことで歯の伸び過ぎ防止できる木製、保温性の高い布製など、目的に沿った素材選びも重要になります。
尚、ハムスターの性格によっては巣箱を使いたがらないこともあるため、そのような場合には無理に設置する必要はないと考えて良いでしょう。
トイレ
綺麗好きなハムスターに飼育環境においては、トイレ選びも重要になります。ハムスターは決められた場所でのみ排泄を行う習性があるため、トイレを設置することで手入れがしやすくなるメリットがあります。
ケージ内に設置するものの中でも、清掃する頻度が高いため、シンプルで手入れしやすい形状のものを選ぶのも良いでしょう。汚れ具合を把握しやすく、砂の飛び散りなどを防ぐことのできる、屋根が付いたプラスチックタイプのものもおすすめです。
給水器
ハムスターがいつでも好きなときに水分補給できるよう、給水器の設置も必要になります。
ハムスターは水に濡れることを嫌うため、水漏れしにくい形状の金属ボールが先端についているものを選ぶと良いでしょう。
また、成長してからも飲みやすいよう、高さの調節が自由にできるタイプもおすすめです。
床材
巣穴を掘って身を隠す習性をもつハムスターにとって、床材も必要不可欠です。巣穴を掘らせることの他にも、ケージ内を歩きやすくしたり、保温したりとさまざまな役割を担います。床材にはさまざまな素材があります。
牧草タイプ
ウッドチップ
ペーパーチップ
特に、チップと呼ばれる床材は管理や清掃がしやすく、使い勝手が良いものが多くおすすめです。ウッドチップを使用する場合、ハムスターが針葉樹などにアレルギーを持っている場合、皮膚に炎症を起こしてしまうこともあるため、飼っているハムスターに合わせたチップ選びが重要になります。
ペーパーチップは、他の素材のチップに比べて色の変化がわかりやすいものが多く、清掃タイミングやハムスターの出血に気づきやすいメリットがあります。
また、ハムスターが床材を食べてしまう場合には、牧草タイプの床材を使用するのも良いでしょう。
かじり木
ハムスターなどのげっ歯類は、歯が伸び続ける生き物であるため、やわらかいものばかりを与えていると歯が伸びすぎてしまい、かみ合わせがおかしくなってしまう不正咬合などを発症してしまいます。
ケージ内にかじり木を設置してあげることで、ハムスターが自ら歯の長さを調節できるようになります。
おもちゃとしてかじり続けられるものや、おやつの代わりに与えることのできるもの、遊び場や寝床としても利用できる置き型のものなど、幅広い種類があります。
ハムスターの口に入っても健康に影響がない安全性の高いものを選ぶのもポイントです。
ハムスター用ヒーター
ハムスターを飼う上で重要なのが、冬の防寒対策です。寒いのが苦手なハムスターは10℃以下の状態が続くと、疑似冬眠と呼ばれる凍死手前の状態に陥ってしまうため、飼育環境にはヒーターを設置することをおすすめします。
ハムスター用のヒーターには、ケージの下に差し込むことで温めるフィルムヒーターや、ケージの内側に設置するパネルヒーターがあります。
特に、飼い慣れていない方にとっては、自動で温度管理をしてくれて設定温度以上に上がらないタイプのものがおすすめです。
主食はハムスター用のペレット!野菜や果物、ひまわりの種などはおやつに与える

ハムスターの主食は、繊維質が豊富に含まれており、必要な栄養素が配合されているペレットと呼ばれる固形フードです。
種子類や乾燥野菜が合わさったミックスフードも市販されていますが、ハムスターがミックスフードの中から高カロリーな種子類ばかり好んで食べてしまう可能性があり、肥満に繋がりやすくなってしまうため、基本的にはペレットのみを毎日決まった量で与え続けるのが良いとされています。
ハムスターが食べるものとしてイメージしやすいひまわりの種や、果物、野菜類は与えすぎると肥満や下痢など体調不良に繋がりやすくなってしまうため、おやつとして少しずつあげると良いでしょう。
キャベツ
さつまいも
だいこんの葉
にんじん
ブロッコリー
いちご
キウイフルーツ など
チョコレートなど与えてはいけない食物もあるため注意
また、人間が食べて問題なくても、ハムスターが食べると中毒症状を起こしてしまうものがあります。ねぎ類や、アスパラガス、なす、ごぼうなどの野菜や、びわや杏などの桃系の果物はハムスターにとって毒性の高い食物になるため、注意が必要です。
また、チョコレートやクッキーなどの加工食品は、与えると命にかかわることもあります。
さらに粘り気の高いものや、やわらかすぎるものを与えると、頬袋から取り出せなくなり、頬袋脱を発症してしまうため食べさせないようにしましょう。
ねぎ
玉ねぎ
なす
ごぼう
トマト
バナナ
にんにく
もろへいや
加工食品 など
ハムスターを飼うときの注意点
ハムスターを飼う時には、準備しなくてはならない環境や食べ物に関することの他にも、知っておいたほうが良いことや、注意しなくてはならないことがあります。
ここからは、ハムスター飼う時の注意点について紹介します。
飼い始めてから1週間は触らないようにする
ハムスターを懐かせて、その後のお世話をしやすくするためには、飼い始めが肝心です。
特にペットとして迎えたばかりは、手の上に乗せたり、触りたくなったりしてしまうこともあるかもしれませんが、新しい家にきたばかりのハムスターは警戒心が強く、触ろうとすることで噛まれることもあります。
飼い始めてから1週間は、触ったり覗き込んだりずにストレスを与えないようそっとしておきましょう。ハムスターが慣れてきて、手から与えたエサを食べてもらえるようになってから触るようにしましょう。
部屋の中を散歩させるときは電気コードや柱などをかじられないように注意
運動の一環として、部屋の中で自由に散歩させる場合には、電気コードを噛まれてしまうことのないよう、コード用カバーや某鼠テープの使用などによって対策をしましょう。最悪の場合、火災を起こしてしまうリスクがあります。
また、壁や柱などの住宅設備を噛まれてしまうと、修繕費用を請求されてしまう可能性もあるため、対策を講じるだけでなく、散歩をさせている間はハムスターから目を離さないように注意しましょう。
集合住宅の場合はハムスターを飼っていいか必ず確認する
ペットを禁止している集合住宅は少なくありませんが、中には、ハムスターなど大きな声で鳴かない動物であれば飼育を認めている物件もあります。
ハムスターが部屋の中を傷つけてしまった場合、修繕などについては大家さんや管理会社へ相談しなくてはならないため、事前にハムスターを飼育しても良いのか、そしてどのようなことに気をつけなくてはならないかについて、あらかじめ確認しておきましょう。
1度散歩させると毎日散歩しないとストレスになってしまうこともある
さらに、ハムスターに部屋の中を散歩させると、縄張り意識の強さから毎日部屋中を散歩しないとストレスに繋がってしまうため注意が必要です。
ゲージの外に出して運動をさせる場合には、専用のサークルなども便利に活用できるため、検討してみてはいかがでしょうか。
繁殖力が高いため多頭飼いをするときは注意する
ハムスターは繁殖力が高く、1度に10匹前後を年に何回も出産できる体を持っています。
そのため、同じ種類で多頭飼いをしているとあっという間に増えて、手に負えなくなってしまいます。繁殖を望まない場合は、1匹ずつ飼育するようにしましょう。
こんなときには動物病院へ!ハムスターが見せる体調不良のサイン

最後に、ハムスターが病気にかかってしまったときにみられる兆候について紹介します。
どれだけ大切に育てていても、将来的に病気にかかってしまうリスクは拭いきれません。
体調が悪いハムスターがどのような仕草を見せるか知っておくことで、異変を感じた際にすぐ動物病院へ連れて行くことができるようにしておきましょう。
食欲が低下する
体の小さなハムスターはたった数日食べないだけで死んでしまうこともあるため、食欲の低下には注意が必要です。
食欲低下の原因となり得る疾患はさまざまですが、飼いはじめてすぐであれば、生活環境の変化に伴うストレスであることや、消化器の疾患、感染症、不正咬合、頬袋脱などが考えられます。
様子がおかしい場合には動物病院で診断を受けるようにしましょう。
お腹が腫れる
ハムスターのお腹が腫れているときには、内蔵の異常や腫瘍などが疑われます。万が一、悪性の腫瘍ができてしまっている場合、一刻も早く摘出しなくてはならないため、普段よりもお腹が膨らんでしまっていると感じたときには、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。
脱毛や発疹など皮膚に異常がある
ハムスターは、皮膚病にかかりやすいため脱毛や発疹などにも日常的に注意しましょう。
ケージ内などの飼育環境が不衛生であることや、寄生虫によるもの、アレルギーの発症など原因は多岐にわたるため、異変を感じた際にはすぐに受診しましょう。
歩き方が不自然になる
骨の弱いハムスターは骨折をしやすく、歩き方に異常を感じてその発症に気付くケースも少なくありません。
原因としては、金網式のケージによじ登って落下したり、回し車やケージに足を挟んでしまったり、時には人の手から落下した衝撃で骨折をしてしまうことが挙げられます。
後ろ足の方が発症しやすく、骨折をしたまま放置しておくと、骨が曲がったままくっついてしまうことや、皮膚から骨が飛び出て重症化、足を切断しなくてはならなくなってしまうこともあるため、早めに受診しましょう。
冬の寒い時期には疑似冬眠にも要注意
気温の急激な変化や、室内の日照不足、栄養不足などを原因に、疑似冬眠と呼ばれる低体温症になってしまうことがあります。温度に関しては、10度以下でだんだんとその症状がみられはじめ、5度を下回るとほとんど全てのハムスターが疑似冬眠に陥ってしまいます。
疑似冬眠に入ってしまうと、あっという間にエネルギーを使い果たしてしまうため、通常1時間以内に蘇生させなければそのまま死に至ってしまうケースが多いようです。
疑似冬眠から起こすとき急激な温めはNG!ゆっくり時間をかけて温める
疑似冬眠になってしまった場合には、心臓に負担がかかるため、ヒーターなどを使用して急激に温めることはせずに、両手の体温や、タオルに巻いたカイロなどを使用してじっくりと温めてあげることが重要です。
また、起きてからは体力を消耗しているため、なるべく早く動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
まとめ|ハムスターの将来的な治療費の備えにはペット保険の加入もおすすめ
1人暮らしの家や子どもがいる家庭でも飼いやすいハムスターは、ペットとして人気が高く、時間をかければ手に乗せて触れ合うこともできる動物です。
飼育をする際には、ハムスターが快適に生活できるような環境を用意してあげましょう。
また、飼育しているといずれは体調不良を起こしてしまうことも考えられます。
万が一の治療費の備えとして、ペット保険の加入も検討してみてはいかがでしょうか。
下記記事では、ハムスターがかかりやすい病気や、おすすめのペット保険について解説しています。飼い始める際には、ぜひ合わせてご確認ください。

