そんなジャンガリアンハムスターの生態や病気、飼育時に気を付けるべきポイントをご紹介します。
温厚な性格!ジャンガリアンハムスターの特徴
飼育用ハムスターとして有名な品種の1つが、ジャンガリアンハムスターです。ここではジャンガリアンハムスターには、他の飼育用ハムスターとどのような違いがあるのか解説します。
手ごろなサイズ感となつきやすさが人気!毛色もさまざま
ジャンガリアンハムスターは、温厚な性格となつきやすさが特徴のハムスターです。ペットとして日本で広まり始めたのは1993年。1965年ごろからペットとして飼育されていたゴールデンハムスター(体長約14cm~17cm)と比べて、体長約7cm~13cmと小ぶりなサイズ感が人気につながりました。
ペットショップ等で購入する際は、1,000円~2,000円が生体価格の相場です。ジャンガリアンハムスターは毛並みの色が多種多様で、気に入った毛並みのハムスターを購入できるのも魅力です。
色だけではなく、個体ごとに性格がさまざまなのもジャンガリアンハムスターの特徴であるため、「しばらく行動を観察して気に入ったら購入する」という決め方も愛着がわきやすくおすすめの方法です。
ジャンガリアンハムスターの色は、以下のようなものが代表的なものとして挙げられます。
ノーマル(原種)
一般的なジャンガリアンハムスターは、背中側が濃い茶褐色で背中に黒いストライプ模様があります。お腹側は白っぽいですが、これはどのジャンガリアンハムスターにも共通しています。スタンダードな温かみのある色で人気があります。
プディング
プディングは、体毛が全体的に明るいベージュ色で、プリンのような色味をしています。分かりやすくイエローと呼ばれる事もあります。
プディングの毛並みを持つハムスターは、遺伝子的に肥満になりやすいといわれています。そのため、プディングのハムスターを飼育する際は体重管理をしっかりしましょう。
パールホワイト
パールホワイトは、背中側の毛が突然変異によって根元から白くなった品種です。毛先に原種の黒っぽさが残っている場合はパールホワイトと呼ばれ、原種以外の遺伝子を持っている場合にはそれぞれ名前が変わります。
先述したプディングの遺伝子を持っている場合は、毛先が明るいベージュ色になりホワイトプディングと呼ばれ、後述するサファイアの遺伝子を持っている場合は、毛先まで白くなるためスノーホワイトと呼ばれます。
インペリアル
インペリアルは、お腹側の毛が原種と比べて真っ白な点が特徴です。少しだけ茶色い原種のお腹と比較すると、背中側の有色部位との境界線がはっきりしているため、お腹と背中の境界線で見分けることができます。
背中側の黒いストライプ模様も薄く、背中側の茶褐色も原種と比べるとやや薄い毛色が多いのですが、毛色の薄さは個体差もあるため同じインペリアルの個体でも、好みの色合いをしている1匹を探してみるのも良いでしょう。
ブルーサファイア
ブルーサファイアは、背中の毛色が薄い灰色です。背中のストライプも薄く、お腹側の毛色との濃淡もはっきりしていないため、全体的に柔らかい印象の毛並みで、他の毛並みと比べても高い人気の品種です。
品種改良によって生まれた種類のため、毛色の淡さに個体差があります。ブルーサファイアを購入する際はペットショップに行って、実際に複数のブルーサファイアハムスターを見比べてみてください。
飼育に適したおとなしい性格
ジャンガリアンハムスターは他のハムスターと比べて温和で大人しく、初めてハムスターを飼う方にもおすすめの品種です。人にもなつきやすく、ケージの中から飼い主を見つめたり、手の上に乗せて一緒に遊んだりできます。
ただし、ハムスターは自然界で天敵を常に警戒している動物です。購入してすぐの新しい環境や、自分以外の動物の気配がする時は反応が過敏になるため、巣の中に籠って臆病に見えたり、威嚇するような攻撃的な面が見えたりもします。
また、基本的に野生のハムスターは単独で縄張りを持ちます。ほかのハムスターが縄張りに入ってきた際は、流血するまで戦うこともある激しい生態で、特にオスのハムスターは縄張り意識が強い傾向があります。
性格は個体によっても異なるためペットショップで確認すると良い
個体ごとの性格が異なるのも、ジャンガリアンハムスターの特徴です。好奇心旺盛で購入後もすぐに飼い主に興味を示す個体もいれば、なかなか近寄ってきてくれない慎重な個体もいます。ハムスターは夜行性のため、夕方ごろの時間帯を狙ってペットショップに行き、実際に動いている様子を見て気に入った個体を購入するようにしましょう。
ペットショップで、飼いやすいハムスターを見つけやすくするためのコツは下記記事で紹介しています。合わせてご覧ください。
オスはおとなしくメスはやや攻撃な側面も
ジャンガリアンハムスターには、オスとメスで性格の傾向に違いがあります。オスの傾向とメスの傾向はそれぞれ以下の通りです。
- 好奇心旺盛で活発
- ストレスに弱い
- 環境変化に敏感で神経質
- 温厚でマイペース
- ストレスに強い
- 環境の変化に適応しやすい
個体ごとに性格が異なるため、あくまで参考ですが、メスの方がおっとりしていてストレスにも強く、飼育が容易な傾向があります。一方で、活発に動き回る姿が見やすいのはオスの方で、飼育に慣れている方は、元気な姿が見やすいオスを飼育するのもおすすめです。
縄張り意識が強いため多頭飼いは難しい
ジャンガリアンハムスターに限らず、ハムスターは野生において単独行動をする生き物です。自身の縄張りに他のハムスターが侵入してくると、相手の身体に自らの歯を突き刺して自分の縄張りを守る習性があり、時には相手のハムスターの命を奪ってしまうこともあります。
そこまで至らなかったとしても、お互いに血まみれで深い傷を負ってしまうことも少なくありません。同じケージ内での多頭飼いはハムスターにとって危険性が高いため、ジャンガリアンハムスターの多頭飼いはおすすめできません。
それでも、どうしても多頭飼いをしたい方は、次の事を心がけてください。
飼育するハムスターの数だけケージを用意しておく
喧嘩が始まってしまうと、ケージを分けなければ互いに血まみれになるまで争い続けてしまいます。多頭飼いを試みる個体同士の相性が良くない場合に備えて、いつでも別のケージで飼育できるように準備をしておきましょう。
3匹以上で飼育する
同じケージにいるハムスターは、ふとした瞬間に序列争いを始めます。序列が明確になってしまった2匹が同じケージにいると、序列が下のハムスターが一方的にいじめられてしまうのです。
3匹以上が同じケージに居ると序列があいまいになりやすいため、多頭飼いをする場合は3匹以上で飼育しましょう。
それでも多頭飼いは危険
その他にも、生後間もない頃から同じケージで飼う、オスよりも縄張り意識の低いメスのみを飼う、ケージの中にハムスターの数と同数の巣箱を配置する等のポイントがあります。
しかし、ポイントを守ったとしても多頭飼いは難しいため、大前提である「ハムスターの多頭飼いは小さなきっかけで喧嘩につながりやすい」という認識を持って、可能であればいつでも人間が喧嘩を止められるような状況で試すことが好ましいです。
ジャンガリアンハムスターの標準体重は50g以下
ハムスターの「餌をほおばった姿」は、多くの人に癒しを届ける愛くるしいポーズです。ついついたくさん餌をあげてしまいがちですが、適切な食事量を越えてしまうとハムスターの肥満の原因にもなってしまいます。
ジャンガリアンハムスターの標準体重は50g以下で、これより重いハムスターはダイエットのために様々な生活の改善が必要になります。
肥満によって誘発されやすい病気もあるため、ハムスターの体重についてしっかり理解し、正しい対処法を理解するよう心がけましょう。
オスの標準体重はメスより5g程度重い
ジャンガリアンハムスターは、オスの方がメスよりも5g程度体重が重く、見た目もやや大きく見えます。体重は、動物病院等で定期的に測定してもらいましょう。
定期的に体重を測っておくこと、見た目の微妙な変化で太ったかどうかが判断できるようになり、肥満状態になる前に体重の増加に気付くこともできます。
60g以上は肥満体重!糖尿病のリスクも高まる
ハムスターの体重が60gを越えてしまうと、明確な肥満体重です。体重60gともなると、見た目にも明らかにふっくらしていて、仰向けから1人で起き上がれなかったり、脚がお腹にめり込んでほとんど見えなくなったりします。
また、人間と同様に肥満体重のハムスターは、次のような病気に掛かりやすくなってしまいます。
- 高血圧
- 糖尿病
- 心疾患
- 脂肪肝
- 脱毛
- 皮膚疾患
高血圧や糖尿病は、肥満によって血中成分が変化する事で発症します。心疾患や脂肪肝は、脂肪がついてしまった結果、内臓に負担をかけてしまい発症する病気です。
脱毛や皮膚疾患は、太ったお腹が床にこすれて引き起こされる症状で、酷い場合は獣医さんに相談することをおすすめします。
肥満を避けるために必要なのはストレスの軽減と食事管理
ハムスターは本来、太りにくい生き物です。食べ物は一度に食べずに巣に持ち帰り、必要量以上は食べることがありません。また、野生なら一晩で最大20kmもの距離を走り回る程の運動好きで、カロリーの消費も問題ありません。
そんなハムスターが肥満になる原因は、主にストレスと食事です。
ストレスを与えないためには匂いと音に気を遣う
ハムスターは基本的に匂いと音で周囲の状況を探っています。そのため、近くに別の動物の匂いがしたり、頻繁に大音量が聞こえる環境で飼育したりするとストレスを貯めてしまいます。ケージ内の清掃も怠るとストレスの原因になるため、こまめに掃除してあげましょう。
脂肪分の少ないペレットが普段の食事におすすめ
もう一つ、肥満を予防するために大切なのが食事管理です。基本的には食事量を自分で制限するハムスターですが、与えれば与えるだけ口に詰め込んでいくハムスターに釣られずに、必要量だけ餌を与えれば肥満は防ぐ事が出来ます。
大皿に餌を置いて放置しておく方法でも問題はありませんが、その場合は餌の種類に気を遣ってあげましょう。例えばハムスターの餌として人気な「ひまわりの種」ですが、脂肪分が多く1日に2粒もあげると脂肪を摂取しすぎてしまいます。
市販のペレット等、成分に気を遣っている食べ物を普段の食事として、ひまわりの種等のおやつはたまに与える程度にしておきましょう。
ジャンガリアンハムスターがなつくようにするための飼い方
せっかく飼うなら、なついてもらってたくさん可愛がってあげたいジャンガリアンハムスター。
小さな頃から人間に飼育されてきたペットショップのハムスターも、購入して新しいケージにお引越しすると、警戒心の強さ故に初めてのことだらけで神経質になることがあります。
ジャンガリアンハムスターになついてもらうためには、気を付けることは次の通りです。
- 飼い始めは無理に触らないよう注意する
- 夜行性のため日中はそっとしておく
- こまめな掃除でケージ内を清潔に保つ
ハムスターは匂いと声で飼い主を認識する
先述した通り、ハムスターは主に匂いと音で周囲の情報をキャッチしています。ジャンガリアンハムスターも同様に、なついてもらうためには、まずは自分の匂いと声を覚えてもらうことが大切です。
匂いを覚えてもらう上で効果的なのが、手で餌をあげる事です。自分の手から餌をあげること、餌を食べる際に飼い主の指の匂いを嗅ぎ、飼い主の匂いに慣れてもらいやすくなります。
その際に、名前を呼びながら餌をあげると飼い主の声も覚えてくれるので、ゆっくりとハムスターの名前を呼びながら、自分の手で餌をあげるようにしましょう。
ジャンガリアンハムスターの寿命は2年〜2年半!発症に注意したい病気
ジャンガリアンハムスターの寿命は通常2年~2年半で、他のハムスターと大きく違いはありません。共に過ごせる時間が決して長くないからこそ、健康には気をつけてあげたいものです。
ハムスターが罹ってしまう病気には多くの種類がありますが、飼育環境を整えてあげることで対策ができるものもあります。
ジャンガリアンハムスター特有の病気というものはなく、ほかのハムスターと共通しているものも多いですが、具体的な症状や予防策についてきちんと把握しておきましょう。
風邪
人間と同じで、気温の変化から身体の抵抗力が下がってしまい、体調を崩してしまう病気です。鼻水が出たり、鼻の下が荒れたりするので、寒い時期にはハムスターの鼻周りを確認してあげるようにしましょう。
20度から25度がハムスターの過ごしやすい温度と言われているため、気温が20度を下回ってきたら床材を多めに入れるなどの対策を始めましょう。
更に気温が下がった場合は、ハムスター用のヒーターを使うのも効果的です。
腫瘍
ハムスターにも、腫瘍が出来る事があります。健康に害を及ぼす悪性の腫瘍は癌とよばれ、体表に出来れば見た目で分かることもありますが、体内に出来た腫瘍は目で判断することが出来ません。
明確な予防方法もないため、定期的に健康診断を受けることで早期発見に努めましょう。
頬袋脱
頬袋がひっくり返ってしまい、口から外に出てしまう病気です。見た目が非常に痛々しく、罹っているとすぐに気付くことができます。
頬袋脱の原因は、頬袋の損傷や頬袋の内側に食べ物が付着することです。「人間の食べ物を与えたために発症してしまった」というケースも多いため、ハムスターにはハムスター用の餌を与えるようにしましょう。
頬袋脱になった場合、まれに自然に戻ることもありますが多くの場合は、手術で頬袋を切除しなければいけないため、気付いたらすぐに動物病院へ連れていきましょう。
不正咬合や切歯破折
かみ合わせが悪くなる不正咬合や、歯が途中で折れてしまう切歯破折は、罹患すると上手く餌が食べられなくなってしまうため、すぐに治療する必要があります。
金属のケージをかじってしまい歯が欠けたり曲がってしまうことが原因であることも多く、金属部分のないケージを使うか、かじり木を設置してケージをかじらないように工夫しましょう。
不正咬合や切歯破折に罹ったハムスターは、食事量が減ったり、口が閉まらずによだれが垂れ流しになっていたりします。このような症状を見かけたら、獣医の診療を受けましょう。
ジャンガリアンハムスターを飼育するときはペット保険の加入もおすすめ
どれだけこまめなお世話をしていても、病気にかかってしまう可能性は残ります。
ハムスターの病気は、治療に数万円必要なこともあるため、思わぬ出費にならないように、普段から保険に加入して備えておくのもおすすめです。
ストレスに弱く病気にかかりやすいため備えが必要
ハムスターは繊細な生き物で、ストレスによって体調を崩しやすい動物です。
ジャンガリアンハムスターは、季節に合わせて体毛が生え変わるため、他のハムスターに比べて気温の変化に強い傾向にあります。それでも、日本の冬の気温では寒すぎて風邪を引いてしまう事や、最悪の場合には疑似冬眠とよばれる仮死状態になってしまうこともあります。
一方で、30℃を越えるような夏もハムスターにとっては過酷な温度です。このような日本の四季による温度変化もストレスの原因となってしまうため、完全にストレスを無くすというのは難しく、病気の発症に備えておくことが大切です。
お迎え後に加入できるペット保険はプリズムペットだけ
現在、ハムスターをお迎え後に加入できる保険は、SBIプリズム少額短期保険株式会社の「プリズムペット」のみとなります。
プリズムペットの中でも、月々の保険料と補償内容が異なる3つのプランがあるので、入院と通院と手術がどの程度保証されるのか、月々の保険料はいくらなのかを比較して、自分とハムスターに適した保険に加入しましょう。
ハムスターのペット保険について、詳しい補償内容や選び方は下記記事にて解説しています。合わせてご確認ください。
まとめ|ジャンガリアンハムスターの生態を理解して快適な飼育生活を!
ジャンガリアンハムスターは人なつっこく、サイズも手ごろであるため飼育に適したハムスターです。しかし、縄張り意識が強く多頭飼いが難しかったり、人間の食べ物を与えると病気につながったりと、知らなければせっかく飼ったジャンガリアンハムスターを傷つけてしまうような知識もあります。
このような知識を持ったうえで飼う事で、病気も少なく自分になついてくれるような、飼い主にとってもジャンガリアンハムスターにとっても暮らしやすい時間を過ごしましょう。