愛くるしいクリっとした目で人気のモモンガを、ペットとしてお迎えしようと検討している方も多いのではないでしょうか。その際に「どんなことに注意したら良いの?」「なにが必要になるの?」といった疑問があるかと思います。
本記事ではモモンガの飼育に必要なものや、飼育する際の注意点などを解説します。モモンガをお迎えの際は、ぜひご覧ください。
モモンガの性格
くりっとした目が印象的なモモンガ。空を飛ぶイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。まずは、そんなモモンガの性格からご紹介します。
臆病で警戒心が強い性格
モモンガの基本的な性格は、臆病で警戒心が強いといわれます。とても神経質な性格でもあります。
人に慣れる前は、飼い主であっても威嚇してくることも。野生では木の穴などで過ごすため、慣れるまでは巣穴から出てこないことも多いようです。
不意に大きな音がすると気を失ってしまい、最悪のケースでは死んでしまうこともあります。飼育ケージはできるだけ、静かな場所に設置するようにしましょう。
慣れればなつくことも
前述のように、モモンガは臆病で警戒心が強い性格ですが、人になつかないわけではありません。なつかせるコツとして、小さい頃から飼育することや、好みのエサを使ってコミュニケーションをとることなどが挙げられます。
人に慣れる前は巣穴から出てこないこともありますが、無理に巣穴から出して触ることは、モモンガにとって大きなストレスになるため避けましょう。モモンガが慣れてくれるまで、根気よく待つことが大切です。
また、モモンガは夜行性のため、コミュニケーションをとる場合は夕方以降にしましょう。
日本で飼えるモモンガは2種類
日本で飼えるモモンガは「フクロモモンガ」と「アメリカモモンガ」の2種類です。それぞれの特徴をご紹介します。
フクロモモンガ|日本で多く飼われている品種
フクロモモンガは子育て用の袋を持つ「有袋類」で、カンガルーなどの仲間です。体長は16〜21cm、体重が90〜150gほどです。野生での寿命は7〜8年、飼育下では10年以上生きることも珍しくありません。
フクロモモンガの値段は、1〜3万円台が相場となっています。
アメリカモモンガ|フクロモモンガに比べて臭いが少ない
アメリカモモンガはリス科に分類され、体長は13〜15cm、体重が50~130gほどです。また、フクロモモンガと異なり臭腺がないため、モモンガ特有の臭いがしにくいといわれています。
野生下での平均寿命は5〜10年、飼育の場合12年くらいまで生きる子もいるようです。
アメリカモモンガはフクロモモンガに比べて流通量が少なく、値段は11万円〜13万円くらいが相場です。
モモンガに必要な飼育環境
次にモモンガの飼育に必要なものを紹介します。
ケージ
モモンガのケージは最低でも高さが40〜50cm以上あるものにしましょう。ケージの材質は金網のものが臭いもこもらずオススメですが、エサなどを周囲に撒き散らしてしまうというデメリットもあります。
プラスチック製のケージに関しては、エサなどを撒き散らかさないというメリットがありますが、臭いがこもりやすい、掃除がしにくいといったデメリットもあるようです。
温度計
モモンガは暑さに強く、寒さに弱い傾向にあります。適温は25〜28度くらいです。モモンガのケージが適温になっているかを知るために、温度計を設置して、定期的に確認をしましょう。
保温器具
先述した通り、モモンガの適温は25〜28度くらいです。そのため、冬場はヒーターなどを活用しましょう。
エアコンに比べて、ケージのみを暖めるヒーターは電気代が抑えられるというメリットがあります。エアコンは温度管理がしやすい一方で、人間にとっては冬場は逆に暑くなることがあるというデメリットがあります。
床材
新聞紙やペットシーツ、ウッドチップなどを床に敷くようにしましょう。ウッドチップはケージの外に散らばってしまうこともあるため、散らかっても大丈夫なように、ケージの周りに新聞紙などを敷くなどの対策をしましょう。
止まり木
モモンガを飼育する際に、木の棒である止まり木も欠かせないものです。止まり木にはねじれたものやストレートのものがあります。モモンガは止まり木の上で休憩をしたり、リラックスしたりするため、飼っているモモンガにあったものにしましょう。
エサ入れ、水入れ
モモンガのエサ入れには、お皿タイプのものと、ケージにつけるタイプのものがあります。
お皿タイプは、モモンガの重さでひっくり返らないような重さのあるものを選びましょう。また、複数のエサを入れられるように仕切りがあるタイプだと便利です。
ケージに取り付けるタイプにはステージとしても使えるようになっているものもあります。野生では樹上で生活する動物にとって、ステージが付属しているタイプのほうが馴染み深いかもしれません。飼っているモモンガが食べやすそうなものを選びましょう。
水入れについては、ケージの側面に取り付けられるものが扱いやすいです。
主食はモモンガ用の総合栄養食を与える
モモンガは雑食で、さまざまなものを食べます。野生のモモンガは、樹液や果汁、昆虫類、クモ、爬虫類、鳥の雛などを食べるといわれています。
モモンガを飼育する際は、主食としてさまざまな素材を乾燥させた総合栄養食を与えるようにしましょう。
モモンガ用の総合栄養食の入手が難しい場合には、お迎えしたペットショップでどのような食事を与えていたか聞いてみるのもオススメです。
副食として野菜などを与えて栄養バランスを取るといい
雑食のモモンガの栄養バランスを崩さないよう、副食として、さまざまなものを与えるのがが理想的です。
コオロギやミルワームなどのエサ用昆虫、刻んだ果物、野菜類を与えることができます。尚、野生の昆虫は農薬や除草剤など、モモンガに有害な成分がついている恐れがあるため、与えないようにしましょう。
そのほかにもさまざまなものを食べるため、飼っているモモンガのお気に入りのエサを見つけるのも楽しいかもしれません。
にんにくなど与えてはいけないものに注意
雑食でさまざまなものを食べるモモンガですが、与えてはいけないものもあります。
例えば、長ネギや玉ねぎ、にんにく、カフェインを含む物などが挙げられます。モモンガに何かを与える際は、与えてはいけないものでないか必ず確認をしてください。
また、モモンガは好きなものばかり食べる習性があります。食べ残しをチェックして、足りていない栄養があれば、それを補うフードを追加しましょう。
モモンガを飼うときの注意点
次にモモンガを飼うときの注意点をみていきましょう。
お迎え直後は無理にコミュニケーションをとらない
モモンガは臆病で警戒心が強く、神経質な生き物です。お迎えした直後は特にストレスがかかる時期であるため、無理なコミュニケーションをとらないことが大切です。
また、モモンガは大きな音を苦手としているため、静かな場所にケージを設置して、大きな音でストレスを与えないように注意が必要です。
臭い対策をきちんとする
モモンガは特有の臭いを持っています。特にフクロモモンガの場合、臭いが強いこともあります。ケージを清潔に保つ、適宜床材を交換するなど対策を取りましょう。
金網以外のケージを使用していて、臭いが気になる場合には、金網タイプのケージなど通気性のよいケージへの変更を検討してみるのもオススメです。
ケージから出す際は危険が無いように環境を整える
モモンガが慣れてきたら、ケージから出すこともあるでしょう。その際は、モモンガにとって危険が無いように、環境を整えてからにしましょう。
例えば、電気ケーブルなどはかじってしまうと、感電や漏電などの危険性があります。また、モモンガは飛行するため、窓やドアを閉めて逃げ出してしまうことがないようにする必要があります。
集合住宅や賃貸の場合飼って良いかの確認をしましょう
集合住宅や賃貸に住んでいる場合、モモンガの飼育可否について、お迎えする前に必ず確認しましょう。ペット可能としている物件でも、飼うことができる動物に制限を設けている場合もあります。
後々、トラブルにならないように事前の確認は欠かせません。
温度管理など飼育環境を整える
前述のようにモモンガは暑さに強く、寒さに弱いです。そのため、冬場の寒さ対策をしておきましょう。
寒さ対策には、ケージを暖めるヒーターやエアコンなどを活用してください。
モモンガを診てくれる病院を探しておく
モモンガをお迎えする際は、モモンガを診てくれる病院を探しておきましょう。犬や猫以外のエキゾチックアニマルを診てくれる病院は増えつつありますが、まだ少ないのが現状です。
モモンガの体調が悪い際に、すぐに連れて行けるようにモモンガを診てくれる病院を探しておくことが大切です。
こんなときには動物病院へ!モモンガが見せる体調不良のサイン
モモンガの健康を気にしていても、いつケガや病気をするかはわかりません。最後にモモンガが体調不良の際にみせるサインを紹介します。
下痢をする
モモンガに多い症状として、「下痢(消化器系疾患)」が挙げれます。人間と異なりモモンガの体力は少ないため、たかが下痢と侮らず、病院に連れていきましょう。
モモンガの下痢の原因はさまざまで、ストレスによって免疫力が下がって細菌やコクシジウム原虫やジアルジア原虫などに感染している可能性もあります。
病院に連れて行った後は、糞などはこまめに掃除し、清潔な環境を保つように心がけてください。
お迎え直後は特に注意が必要
特にお迎え直後や、赤ちゃんの頃は注意するようにしましょう。下痢以外にも下記のような体調不良のサインを示す場合、動物病院に連れて行くことを検討しましょう。
- 風邪のような症状
- 自傷行為
- 脱毛
モモンガはストレスに弱い生き物のため、ストレスによって上記のような症状があらわれることもあります。日頃から、モモンガにストレスがかからない環境を整えてあげましょう。
まとめ|モモンガの将来的な治療費の備えにはペット保険の加入もおすすめ
ここまでモモンガの飼い方をみてきました。愛らしい見た目で人気のモモンガに適した飼育環境を整えて、健康に長く生活できるようにしましょう。
一方で、どれだけモモンガの健康を気にしていても、いつケガや病気をするかはわかりません。突然のケガや病気の備えとしてペット保険を一度検討してみるのはいかがでしょうか。
下記の記事では、モモンガのペット保険についてまとめています。あわせてご覧ください。