比較的寿命が長い小動物ですが、時には病気をしてしまうこともあるでしょう。
実は、犬や猫と比べるとプランは少ないものの、チンチラが入れるペット保険も存在します。しかし「チンチラにも保険って必要なのかな・・・?」と迷っている方や「どれに入ればいいの?」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では病気の診療費からチンチラの保険の必要性を考えたうえで、おすすめのペット保険、保険選びの注意点をご紹介します。
いざというときの診療費に備えるための第一歩としてご一読ください!
小さいけれど長生き!チンチラの特徴
チンチラは、大きさ約20〜30cmほど、チリ出身の、ハムスターと同じげっ歯類に分類される動物です。
分類は同じでも、ハムスターと比べるとチンチラの寿命はかなり長く、10〜20年ほど生きるといわれています。なかには27歳まで生きた例もあるようです。
チンチラの特徴でもあるふわふわの毛並みはグレー、ホワイト、ベージュなどさまざまな色の子が存在します。
ペットショップで購入する場合の価格は3万円〜20万円程度。ホワイトなど珍しい毛色の子は価格も高くなる傾向にあるようです。
個体差はあるものの、人になつく子もいて、手に乗ってきてくれることもあります。基本的には警戒心が強いので、静かで落ち着いた環境を作ってあげると良いでしょう。
チンチラと健康に過ごすためのお世話のポイント
チンチラは湿度や温度の変化に弱いといわれています。夏の暑い時期や冬の寒い時期はエアコンをつけ、室温が20℃前後になるように調整してあげましょう。
ゲージ内には直径30cm以上の回し車を設置しましょう。
チンチラは運動好きな動物なので、運動ができないとストレスを感じてしまいます。回し車などを設置することで、思う存分遊べる環境を用意してあげてください。
また、砂浴びができる場所も必要です。チンチラの体毛からはラウリンという物質が分泌されており、これを砂浴びで落とさないと毛球症の原因となります。容器に砂をいれたものをケージ内に必ず置いておきましょう。
チンチラのかかりやすい病気と診療費
チンチラと一緒に過ごしていると、気をつけていても病気になってしまうことがあります。
特に、お迎えの直後は、環境が変わることでストレスがかかりやすく、病気になりやすいといわれています。
犬や猫と比べると、チンチラを診察してくれる動物病院はまだまだ少ないのが現状です。チンチラを飼ったら、健康なうちに、いざという時に対応してくれる病院を探しておくといいでしょう。
以下に、チンチラのかかりやすい病気の一例と診療費の目安をご紹介します。
- 皮膚疾患|通院1回あたり3,500円前後
- 下痢|通院1回あたり3,500円前後
- 不正咬合|歯科治療、麻酔等あわせて10,000〜20,000円前後
- 骨折|手術の場合、レントゲン費用等あわせて30,000円前後
参照元:早馬動物病院|治療料金
※上記の診療費等はあくまで一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません。
※各診療項目の金額は、動物病院によって異なります。
皮膚疾患
チンチラがかかりやすい皮膚疾患のひとつに、皮膚糸状菌というカビの一種に感染して起こる皮膚糸状菌症が挙げられます。ストレスや不衛生な環境などが原因で、比較的幼いチンチラが発症しやすいとされています。
症状としては、皮膚の赤みやフケのようなものが見られます。治療には塗り薬や飲み薬を使用し、継続的な通院で経過を観察します。
治療にかかる費用は、診療費と皮膚検査代で通院1回あたり3,500円前後。再発の多い病気であることから、回復後も注意が必要です。
下痢
チンチラの糞は普段、小さくて丸く、硬い状態ですが、下痢になると水っぽくなります。身体が小さく体力の少ないチンチラにとって、下痢は命にかかわることもある症状です。便に異常があった際は、すぐに病院に連れていきましょう。
原因としてはストレスによる免疫力の低下や、寄生虫の感染が考えられます。
不正咬合
うさぎと同じように、チンチラの歯は常に伸び続けています。この歯が牧草などで適切に削れていかないと、嚙み合わせが異常になってしまうことがあり、これを不正咬合といいます。
不正咬合になってしまった場合は、麻酔をかけたうえで、歯を削る治療を行います。診療費は1回あたり1~2万円程度となっています。
不正咬合の位置が奥歯などで見えにくい場合には、レントゲン撮影を行うこともあります。レントゲン撮影にかかる費用は5,000円程度です。
骨折
チンチラは骨が非常に細く、あちこちぶつかりながら俊敏に遊び回るため、骨折が起こりやすいとされています。
いつも動き回っている時間帯に大人しくしているときは、骨折をしていないかチェックすることをおすすめします。
骨折をした場合には手術を行うか、ギプスなどを使用して保存療法を行います。チンチラの小さい骨の手術は難易度が高く、入院費用と合わせると1回で10万円程度かかることもあるようです。
また、手術後も入院や通院が必要になるため、診療費が増える傾向になります。
熱中症
チンチラはもともと山地の岩場に生息していたため、温度の変化に弱い動物です。そのため、夏は熱中症に注意が必要です。
ただし、不調に気づいた時には重症化していて回復が見込めないことも少なくないため、とにかく予防が大切です。
夏は空調をつけっぱなしにする、肥満にならないよう気をつけるなど、日常的に対策を怠らないようにしましょう。
チンチラに保険は必要?安心を買うのはアリ!
チンチラの診療費、特に手術の診療費が意外と高いことに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
いざという時の備えとしてペット保険を検討するのはアリなのか、ペット保険のメリットをご紹介します。
診療費の負担を軽減することができる
ペット保険は健康保険ではなく、基本的に全額負担となるペットの診療費をカバーするための保険です。保険料を支払うことで、診療費の一部を保険金として受け取ることができます。
ペット保険の加入の有無で、金銭的な負担が大きく変わるケースもあります。
骨折などのケガは、若いチンチラでも起こりうるものです。チンチラのための貯金がまだ十分でない方にとっても、ペット保険はいざという時の備えになります。
病院受診へのハードルを下げることで早期発見に繋がる
動物病院での診療は自由診療であり、その診療費は各病院が自由に決めることができます。そのため、同じ病気の治療であっても診療にかかる金額は受診した病院によることから、「どのくらいのお金がかかるんだろう…」と受診を尻込みしてしまうケースも考えられます。
ペット保険に加入していれば、診療費の一部がカバーされることがわかっているため、体調が悪そうな時に病院に連れていくハードルが低くなります。
チンチラは体が小さいため、異変に気付きにくく、気付いたときにはすでに症状が進行していることもあります。ちょっとでもおかしいと思った段階で病院に連れていくことで、病気の早期発見・早期回復に繋がります。
ペット保険の注意点:補償されないケースを知っておこう
これまでペット保険のメリットを紹介してきましたが、ペット保険が必要かどうかを考えるうえで、ペット保険の注意点も確認しておくことが大切です。
ペット保険の注意点として、「すべての診療費が補償されるわけではない」ことが挙げられます。
ペット保険はそれぞれの保険会社で補償対象外となる項目を定めていて、それに当てはまる診療費に関しては、補償を受けることができません。
たとえば、健康診断など、健康な体に対して病気の予防を目的に行う処置にかかった費用は補償対象外となります。また、チンチラでよくある病気のひとつである不正咬合の診療費も基本的には補償対象外となっています。
ペット保険に加入する際は、重要事項説明書をしっかりと確認し、補償対象外となる項目もきちんと把握することで、その後のトラブルを防ぎましょう。
チンチラのペット保険の選び方
チンチラの保険に加入しようと思っても、ペット保険自体に馴染みがなく、「結局どれに入ればいいの?」と困ってしまう方も少なくないでしょう。
ここではオススメのペット保険のなかから、あなたのチンチラにぴったりの保険を選ぶためのポイントをご紹介します。
まずは加入条件を確認しよう!
ペット保険は、ペットの年齢などによって加入できる保険が限られています。
既にチンチラをお迎えしている場合に入れる保険はSBIプリズム少短のプリズムペットのみとなっていることに注意しておきましょう。
保険会社/商品名 | 新規加入可能年齢 |
---|---|
SBIプリズム少短プリズムペット いつでもパックプレミアム いつでもパックバリュー |
満5歳未満 |
アイペット損保 うちの子キュート |
1歳11ヶ月まででペットショップ等代理店でお迎え時のみ |
アニコム損保 どうぶつ健保はっぴぃ |
1歳11ヶ月まででペットショップ等代理店でお迎え時のみ |
プリズムペットでは、満5歳未満のチンチラであれば新規加入が可能となっています。また、終身更新も可能です。
アニコム損保、アイペット損保の保険に入りたい方は、お迎えするペットショップが取り扱っているかどうか事前に確認しましょう。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
・アイペット損保/重要事項説明書
・アニコム損保/どうぶつ健保はっぴぃパンフレット兼重要事項説明書
・SBIプリズム少短/重要事項説明書
人気のペット保険3社の補償内容を比較!
チンチラが加入できるペット保険の補償内容を下記の表にまとめました。
保険会社/商品名 | 補償割合 | 通院1日(回)あたりの支払限度額 回数(日数)制限 |
入院1日(回)あたりの支払限度額 回数(日数)制限 |
手術1日(回)あたりの支払限度額 回数(日数)制限 |
窓口精算 | 待機期間 | 免責金額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SBIプリズム少短プリズムペット いつでもパック プレミアム |
100% | 6,000円まで 年間30日まで |
基準額(日)6,000円まで 年間30日まで |
60,000円まで 年間2回まで |
なし | ガンは45日間 | なし |
SBIプリズム少短プリズムペット いつでもパック バリュー |
100% | 5,000円まで 年間20日まで |
基準額(日)5,000円まで 年間20日まで |
30,000円まで 年間2回まで |
アイペット損保 うちの子キュート |
30% | 9,000円まで 年間22日まで |
9,000円まで 年間22日まで |
40,000円まで 年間2回まで |
あり | なし | なし |
50% | 12,000円まで 年間22日まで |
12,000円まで 年間22日まで |
100,000円まで 年間2回まで |
||||
70% | 12,000円まで 年間22日まで |
30,000円まで 年間22日まで |
150,000円まで 年間2回まで |
||||
アニコム損保 どうぶつ健保はっぴぃ |
50% | 10,000円まで 年間20日まで |
10,000円まで 年間20日まで |
100,000円まで 年間2回まで |
あり | なし | なし |
70% | 14,000円まで 年間20日まで |
14,000円まで 年間20日まで |
140,000円まで 年間2回まで |
比較ポイント①補償範囲
ペット保険には通院・入院・手術を補償範囲とするフルカバー型のプランと、入院・手術のみを補償範囲とする入院・手術特化型のプランがあります。
チンチラが入れる上記の保険はすべてフルカバー型のプランです。
フルカバー型のプランは、普段の通院もカバーされるため動物病院に行きやすくなるといえるでしょう。
比較ポイント②補償割合
ペット保険は、1年間で受け取ることができる保険金の限度額が決まっています。
補償対象になる診療費に対して一定割合(50%・70%・100%など)の補償を、通院・入院・手術それぞれに設定されている1日あたりの支払限度額と年間の限度日数(回数)内で受けることができます。
補償割合が高いほど、補償対象となる診療を受けた際に受け取ることのできる保険金は多くなります。その点、チンチラのお迎え後でも加入できるプリズムペットの補償割合100%は魅力のひとつといえます。
比較ポイント③窓口精算
保険金の請求方法には、「窓口精算」と「後日精算」の2種類があります。
窓口精算とは、動物病院の窓口で保険証を提示することで、会計時に保険金を差し引いた自己負担分のみを支払う便利な精算方法です。
一方、後日精算では、動物病院の窓口で診療費の全額を支払い、必要な書類を保険会社に郵送などで提出することで、後日保険金を受け取ります。
上記3社のなかではプリズムペットのみ窓口精算の対応がなく、後日精算となっています。プリズムペットを検討する際は、事前に請求手順も確認しておきましょう。
参照元:プリズムペット|保険金請求お手続きのご案内
チンチラの保険料を比較|補償内容とあわせて考えよう
チンチラの保険料は、年齢にかかわらず一律となっています。
チンチラの寿命は比較的長いですが、高齢になっても保険料が変わらないため、この点は安心して加入を継続することができます。
保険料を比較する際は、単純に安いものを選択するのではなく、補償内容も踏まえたうえで自身のチンチラにとって十分かどうかを考えるようにしましょう。
※この保険料表示にかかる詳細な前提条件は、保険料表の直下に記載していますので、そちらでご確認ください。
保険会社/商品名 | 補償割合100% | 補償割合70% | 補償割合50% | 補償割合30% | |
---|---|---|---|---|---|
SBIプリズム少短プリズムペット いつでもパックプレミアム |
年払 | 38,060円 | ー | ー | ー |
月払 | 3,460円 | ー | ー | ー | |
SBIプリズム少短プリズムペット いつでもパックバリュー |
年払 | 31,830円 | ー | ー | ー |
月払 | 2,890円 | ー | ー | ー | |
アイペット損保 うちの子キュート |
年払 | ー | 16,500円 | 13,340円 | 11,690円 |
月払 | ー | 1,420円 | 1,150円 | 1,000円 | |
アニコム損保 どうぶつ健保はっぴぃ |
年払 | ー | 16,800円 | 12,000円 | ー |
月払 | ー | 1,540円 | 1,100円 | ー |
【上表の保険料の前提条件】
・各社の保険料表に基づいて作成。
・チンチラ、各種割引制度の適用無し、選択可能なオプション特約は選択しない。
【各社個別の条件】
・アニコム損保「どうぶつ健保はっぴぃ」の保険料は、基本保険料で表示(保険の利用状況によって適用される割増引を考慮していない。)
【注意事項等】
※保険料は、今後の商品改定等により変更となる場合があります。
※ペットの健康状態等による引受基準は各社によって異なります。
※ペット保険に加入する際、前提となる条件の違いにより保険料が異なる場合があります。実際に適用される保険料については、保険会社に問い合わせたうえで商品を選択しましょう。
※ペット保険は、保険料だけではなく、契約条件や補償内容などの要素も考慮したうえで比較・検討してください。
※ここには保険商品の内容のすべてを記載しているものではありませんので、あくまで参考情報としてご使用ください。
※ここに記載されている保険商品の詳細な内容については、重要事項説明書および約款にて必ず全般的にご確認ください。
・アイペット損保/重要事項説明書
・アニコム損保/どうぶつ健保はっぴぃパンフレット兼重要事項説明書
・SBIプリズム少短/重要事項説明書
獣医師からのコメント
チンチラは、上手に飼育すると20年以上生きる個体も珍しくありません。
しかし、長生きするということは、その分、病気にかかることも多くなる可能性があります。
歯は全て生涯伸び続けるため、不正咬合になることも少なくありません。
また、腸がとても長く、胃腸のトラブルも起こしやすい動物です。
温度と湿度の変化にも弱く、ストレスを受けやすいです。
野生動物を改良せずにペット化した動物のため、季節繁殖動物で繁殖期になると落ち着かなくなったり、体調を崩しやすかったりします。
とても長く付き合える動物ですから、安心してずっと一緒にいられるためにも、ペット保険へ加入することをお勧めします。
まとめ
寿命の長いチンチラと一緒に過ごすなかで、ときにはケガをしたり、病気をしてしまうこともあります。「そうなったらどうするか」をチンチラが健康なうちに考えておくことはとても大切です。
まずは、近くにチンチラを診察してくれる動物病院がないか探すことから始めましょう。
診療費に関しては、貯蓄によって備えるという方法もありますが、チンチラとできるだけ長く一緒に過ごしていくためにも、一度はペット保険を検討してみることをおすすめします。
【募集文書番号】アイペット損害保険株式会社:募2406-058(26.04)/アニコム損害保険株式会社:W2112-0122/SBIプリズム少額短期保険株式会社:JACAP202300043