※ 本記事は全国の動物病院から収集した実際の診療明細書と、それに紐づいた飼い主様の口コミをもとに、獣医師が監修・分析し作成しています。
一般的なペット情報サイトでは、誰でも匿名で投稿できるため、その情報が本当に治療を受けた飼い主様の実体験なのか判断が難しいケースも少なくありません。当サイトでは、「診療明細書」という客観的な証拠に基づいた情報提供に徹底してこだわり、信頼できる情報だけを厳選しています。
詳細なデータソースについては、以下の調査概要をご確認ください。
調査概要
| 調査期間 | 2024年9月1日〜2025年10月31日 |
| 調査対象 | 期間中に動物病院を受診し、診療明細書を保有する飼い主 |
| 有効回答数 | 5,772サンプル(診療明細書の画像提出あり) |
| 調査手法 | 実際の診療明細書画像の提出を必須とした、一次情報に基づくWeb調査 |
| 調査実施者 | ペット保険のトリセツ(運営:株式会社アニマライフ) |
本調査は、飼い主様より直接ご提供いただいた「診療明細書」の画像とそれに紐づく口コミを元に独自に集計や処置内容は、症状の進行度や動物病院、個体差によって異なりますので、あくまで参考情報としてご活用ください。
犬の僧帽弁閉鎖不全・弁膜症に関する口コミ・体験談
症状と通院の傾向をまとめた口コミ要約
- 最も多かった症状は「心雑音」の指摘
- 「狂犬病のワクチンのついでに心音をみてくれ心雑音を発見」「定期検診で心臓に雑音があると言われ」など、健康診断や他の診察の際に偶然発見されるケースがある
- 「散歩の途中で何度も立ち止まる」など、運動時の症状変化に気づいて受診するケースも見られる
- 無症状のまま定期検査で発見され、早期治療を開始できたケースも報告されている
- 実施された検査は「心臓超音波検査」「レントゲン」「聴診」が中心
- 検査により僧帽弁閉鎖不全の程度を評価し、適切な治療方針を決定している
- 処置は「投薬治療」が基本
- 長期的な管理が必要な疾患のため、継続的な通院と薬の服用が重要視されている”
獣医師が解説:僧帽弁閉鎖不全・弁膜症の診断と治療ポイント
僧帽弁閉鎖不全症は、犬の心臓病の中で最も多い「弁膜症」の一種です。弁膜症とは心臓の弁(血液の逆流を防ぐ扉)が正常に機能しなくなる病気の総称で、その中でも僧帽弁(左心房と左心室の間の弁)に問題が生じるものを「僧帽弁閉鎖不全症」と呼びます。
僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)の典型的なサインは「心雑音」ですが、初期段階では無症状のことが多く、定期健診や他の診察時に偶然発見されることが一般的です。進行すると「咳」「呼吸困難」「疲れやすい」「散歩中に立ち止まる」「失神」などの症状が現れます。
小型犬に多い病気で、特に高齢になるほど発症リスクが高まります。マルチーズ、チワワ、ポメラニアン、トイプードル、ヨークシャーテリアなどの小型犬種では、7歳を過ぎると発症率が急激に上昇します。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは遺伝的に弁膜症が起こりやすい犬種といわれています。
診断では聴診による心雑音の検出が第一歩となります。心雑音が確認されたら、心臓超音波検査検査やレントゲン検査で心臓の大きさや弁の状態、血液の逆流の程度を評価します。進行度に応じてステージ分類され、それぞれに適した治療法が選択されます。
治療は主に投薬治療が中心です。血管拡張薬、利尿剤、強心薬などを組み合わせて心臓への負担を軽減し、症状をコントロールします。内科的治療によるコントロールが難しくなった場合は外科治療も考慮されます。早期発見・早期治療により、多くの犬が良好な生活の質を維持できます。定期的な健康診断、特に心臓の検査を受けることが、早期発見の鍵です。
実際の口コミ・体験談事例一覧
2025.9
狂犬病ワクチン時に心雑音を発見。検査と投薬で元気に
ペットの情報
ポメラニアン
8歳♀小型犬
症状
心雑音
症状・いつから?
狂犬病のワクチンのついでに心音もみてくれ心雑音を発見してくれ発覚しました。去年の夏元気なくお散歩の途中で何度も立ち止まる事がありました。
動物病院での診断・治療
心臓の超音波検査と心雑音検査をして、お薬を処方してくれました。
その後の経過・自宅ケア
元気に過ごしています。
明細書提出済医療費:
11,880円
2025.7
定期検診で心臓に雑音。レントゲンと超音波検査で確認
ペットの情報
ポメラニアン
9歳♂小型犬
症状
心雑音
院内処置
レントゲン検査超音波検査その他処置
症状・いつから?
定期検診で心臓に雑音があると言われ受診。
動物病院での診断・治療
レントゲンと超音波検査を受けました。以前から通っている病院だったので安心してお任せできました。
明細書提出済医療費:
27,830円
2025.8
定期的な検査と投薬で経過良好
ペットの情報
チワワ
9歳♀小型犬
処方
ホルモン剤強心薬
動物病院での診断・治療
検査、投薬をしています。
その後の経過・自宅ケア
早期発見と適切な治療により、経過は良好です。
明細書提出済医療費:
16,720円
2025.9
呼吸が荒く受診、先住犬の心臓病と類似症状
ペットの情報
チワワ
7歳♀小型犬
症状
呼吸が荒い
院内処置
超音波検査レントゲン検査
症状・いつから?
前日の夜から呼吸が荒くなったので診察してもらいました。昔、先住犬が心臓病で亡くなっていて、症状が似ていたため
明細書提出済医療費:
20,350円
僧帽弁閉鎖不全・弁膜症の基本情報
僧帽弁閉鎖不全・弁膜症とは?
僧帽弁閉鎖不全症は、犬の心臓病の中で最も多い「弁膜症」の代表的な疾患です。
弁膜症とは心臓の弁(血液の逆流を防ぐ扉のような構造)が正常に機能しなくなる病気の総称で、その中でも左心房と左心室の間にある「僧帽弁」がしっかり閉じなくなり、血液が逆流するものを「僧帽弁閉鎖不全症」と呼びます。
心臓に負担がかかり、進行すると心不全を引き起こします。
小型犬、特に高齢犬に多く見られる心臓病で、早期発見と適切な治療が重要です。
主な原因
加齢に伴う僧帽弁の変性が主な原因です。
加齢により弁が厚くなり、硬くなり、しっかり閉じなくなります。
遺伝的要因も関与しており、特定の犬種(キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなど)では若齢でも発症することがあります。
小型犬では心臓のサイズに対して僧帽弁が相対的に大きく、負担がかかりやすいと考えられています。
日常でできる予防法
定期的な健康診断を受ける(特に7歳以上の小型犬では年1〜2回の心臓検診)、適正体重を維持し肥満を避ける、激しい運動を避け愛犬のペースに合わせた散歩をする、塩分の多い食事を避ける、歯周病予防のため口腔ケアを行う、ストレスを減らし穏やかな生活環境を整える、咳や呼吸の変化など異常があれば早めに受診する、などが有効です。
完全な予防は難しいですが、早期発見により進行を遅らせることができます。
ペット保険で僧帽弁閉鎖不全・弁膜症の医療費に備えるメリット
上記事例の通り、僧帽弁閉鎖不全・弁膜症の治療費は定期的な診察と投薬で年間数万円~十数万円に達することがあります。生涯にわたる投薬治療を補償
僧帽弁閉鎖不全・弁膜症は生涯にわたる投薬管理が必要です。体験談でも「継続的な投薬」「定期的な心臓検査」といった、長期的な治療が必要なケースが見られました。
ペット保険に加入していれば、継続的な治療費用も補償対象となり、経済的な負担を軽減できます。
高額な検査費用をカバー
僧帽弁閉鎖不全・弁膜症の診断には心臓超音波検査やレントゲン検査が必要です。体験談でも「心臓エコー検査」「定期的なレントゲン」といった、複数の検査を受けるケースが見られます。
ペット保険があれば、これらの検査費用も補償対象となり、必要な検査をためらわずに受けられます。
経済的な安心が継続的な治療につながる
ペット保険に加入する最大のメリットは、経済的な安心感です。治療費の心配が軽減されることで、獣医師の提案する治療を長期的に継続できるようになります。
僧帽弁閉鎖不全・弁膜症は継続的な管理が重要な病気です。ペット保険で備えておくことで、大切なペットの健康を守る選択肢が広がります。
💡 ペット保険を検討中の方へ
僧帽弁閉鎖不全・弁膜症は生涯にわたる管理が必要な慢性疾患です。
健康なうちに加入しておくことで、長期的な治療も安心して続けられます。
本記事で紹介している保険の補償内容や加入条件は、保険会社・プランにより異なります。具体的な補償範囲、引受条件、保険料等については、必ず各保険会社の約款・重要事項説明書をご確認いただくか、直接保険会社へお問い合わせください。
獣医師が回答!よくある疑問(Q&A)
Q.1 どんな症状が出たら、すぐに病院へ行くべきですか?
「咳が続く」「呼吸が荒い・苦しそう」「散歩中に立ち止まる・歩きたがらない」「疲れやすい」「失神する」…閉じる ▲
Q.2 僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)かどうか、自分で判別する方法はありますか?
初期段階では無症状のことが多く、自宅での判別は困難です。進行すると「咳」「呼吸が荒い」「疲れやすい」…閉じる ▲
Q.3 僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)と間違いやすい病気はありますか?
僧帽弁閉鎖不全症と症状が似ている病気として、「慢性気管支炎」「肺炎」「肺水腫」「他の心臓病(拡張型心…閉じる ▲
Q.4 僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)が疑われる時、家でできる応急処置はありますか?
応急処置としては、安静にさせることが最も重要です。激しい運動や興奮を避け、静かな環境で休ませてくださ…閉じる ▲
Q.5 僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)の予防のために、日常生活でできることはありますか?
はい。最も重要なのは定期的な健康診断を受けることです。特に7歳以上の小型犬では、年1〜2回の心臓検診…閉じる ▲
Q.6 食事(フード)は変えたほうが良いのでしょうか?
僧帽弁閉鎖不全症と診断された場合、心臓に配慮した療法食への変更が推奨されることがあります。心臓療法食…閉じる ▲
Q.7 僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)は進行すると、どうなりますか?
僧帽弁閉鎖不全症が進行すると、心臓のポンプ機能が低下し、「うっ血性心不全」を発症します。肺に水が溜ま…閉じる ▲
Q.8 僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)になりやすい犬種はいますか?
小型犬に多い病気で、特にキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは遺伝的に僧帽弁閉鎖不全症を発症し…閉じる ▲
Q.9 治療費はどれくらいかかりますか?
僧帽弁閉鎖不全症の治療費は、検査の種類や症状の程度によって異なります。症状が進行し、追加の検査や薬の…閉じる ▲
Q.10 僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)はペット保険に対応していますか?
はい、僧帽弁閉鎖不全症は多くのペット保険で補償対象となっています。ただし、保険加入前から既に僧帽弁閉…閉じる ▲
Q.11 僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)と診断された後に、保険に入ることは可能ですか?
僧帽弁閉鎖不全症と診断された後でも保険に加入することは可能ですが、その僧帽弁閉鎖不全症および関連する…閉じる ▲
本記事で紹介している保険の補償内容や加入条件は、保険会社・プランにより異なります。具体的な補償範囲、引受条件、保険料等については、必ず各保険会社の約款・重要事項説明書をご確認いただくか、直接保険会社へお問い合わせください。
本記事は2025年12月時点の医学的知見に基づき監修されています。
















