※ 本記事は全国の動物病院から収集した実際の診療明細書と、それに紐づいた飼い主様の口コミをもとに、獣医師が監修・分析し作成しています。
一般的なペット情報サイトでは、誰でも匿名で投稿できるため、その情報が本当に治療を受けた飼い主様の実体験なのか判断が難しいケースも少なくありません。当サイトでは、「診療明細書」という客観的な証拠に基づいた情報提供に徹底してこだわり、信頼できる情報だけを厳選しています。
詳細なデータソースについては、以下の調査概要をご確認ください。
調査概要
| 調査期間 | 2024年9月1日〜2025年10月31日 |
| 調査対象 | 期間中に動物病院を受診し、診療明細書を保有する飼い主 |
| 有効回答数 | 5,772サンプル(診療明細書の画像提出あり) |
| 調査手法 | 実際の診療明細書画像の提出を必須とした、一次情報に基づくWeb調査 |
| 調査実施者 | ペット保険のトリセツ(運営:株式会社アニマライフ) |
本調査は、飼い主様より直接ご提供いただいた「診療明細書」の画像とそれに紐づく口コミを元に独自に集計や処置内容は、症状の進行度や動物病院、個体差によって異なりますので、あくまで参考情報としてご活用ください。
犬の膿皮症に関する口コミ・体験談
症状と通院の傾向をまとめた口コミ要約
- 「皮膚の痒み」「カサブタ」「円形の病変」「腫瘍(しこり)」といった皮膚症状が主な来院きっかけとなっている
- 発症時期は「生後4か月」の若齢から、「3歳くらいから」「数日前から」と様々である
- 「何回も同症状あり、治っては再発」と、慢性・再発性の経過をたどるケースが報告されている
- 治療は「抗生剤の内服」や「抗炎症剤の皮下注射」、「薬用のシャンプー」が中心となっている
- アレルギーが疑われる場合は「食事療法」も併用される
- 「皮膚が弱い」体質の子は、再発防止のため「定期的にお薬や消毒」といった継続的な管理が行われている
- 経過の報告があった口コミ1件で「1週間様子見で、再通院予定」
- 症状が慢性・再発性であるため、治療は治癒よりも継続的な管理が中心となっていることがうかがえる
獣医師が解説:膿皮症の診断と治療ポイント
膿皮症は、犬の皮膚病で非常に多く見られる、細菌(主にブドウ球菌)の感染症です。
寄せられた声にあるように、「痒み」「カサブタ」「円形の病変(表皮小環)」といった症状が特徴です。
多くの場合、膿皮症は単独で発生するのではなく、背景に何らかの基礎疾患が隠れています。
口コミにある「アレルギー」や「皮膚が弱いタイプ」といった体質(アトピー性皮膚炎、ホルモン異常、皮脂のバランス異常など)が、皮膚のバリア機能を低下させ、細菌が異常増殖する原因となります。
診断は、症状の確認に加え、顕微鏡での皮膚の細菌検査などで皮膚の細菌や炎症細胞を確認して行います。
再発や難治性の場合には細菌培養や薬剤感受性試験を実施して原因の細菌を特定し治療に臨みます。
治療は「抗生剤の内服」や「薬用シャンプー」による殺菌・洗浄が中心となります。
痒みが強い場合は「抗炎症剤の注射」や「抗炎症薬・抗止痒薬」なども併用されます。
重要なのは、膿皮症が「治っては再発」しやすい病気である点です。
これは、根本的な原因(アレルギーなど)が解決されていないためです。
そのため、抗生剤での治療と並行して、「食事療法」を試みたり、定期的なスキンケア(シャンプー)や基礎疾患の管理を継続することが、再発を防ぐ鍵となります。
実際の口コミ・体験談事例一覧
2025.8
再発する痒みとカサブタ、抗生剤とシャンプーで治療
ペットの情報
ヨークシャーテリア
4歳♀小型犬
症状
痒みカサブタ
処方
シャンプー・ケア用品
症状・いつから?
皮膚の痒み、背中お腹にカサブタあり(何回も同症状あり。治っては再発)。
動物病院での診断・治療
未検査だが鳥牛アレルギー。アレルギーによって今回の症状が出る事もあるが、皮膚にいる菌が悪さしてる可能性ありということで、抗生剤の内服と、抗炎症剤の皮下注射してもらった。あと、マスマリンシャンプーも貰いました。
その後の経過・自宅ケア
1週間様子見で、再通院予定。
明細書提出済医療費:
6,600円
2025.8
生後4ヶ月、皮膚の円形病変が拡大
ペットの情報
マルチーズ
5歳♀小型犬
症状
円形病変皮膚病変
院内処置
皮膚検査
処方
シャンプー・ケア用品抗菌薬
症状・いつから?
生後4か月のマルチーズの皮膚に円形の病変があり、受診しました。
動物病院での診断・治療
かゆみや食欲不振はなく元気ですが、病変が少しずつ大きくなってきたため、診察と検査をお願いしました。
明細書提出済医療費:
6,270円
2025.7
3歳から膿皮症が再発、定期的な治療で管理
ペットの情報
ヨークシャーテリア
4歳♂小型犬
症状
再発
処方
その他外用薬ノミ・マダニ駆除薬
動物病院での診断・治療
6歳のヨークシャーテリアですが、3歳くらいから膿皮症によくなるので定期的にお薬や消毒、注射などしていただきます。うちの子は皮膚が弱いタイプらしいです。
明細書提出済医療費:
9,790円
2025.9
数日前の腫瘍、針生検で膿皮症と診断
ペットの情報
ミックス犬
6歳♂小型犬
症状
腫瘍
院内処置
その他検査
処方
整腸剤・止瀉薬ステロイド
症状・いつから?
数日前から背部、左頬部、右前足に0.3cm程度の腫瘍あり
動物病院での診断・治療
受診にて針生検実施し、膿皮症と診断。内服薬と食事療法開始、薬用のシャンプーの処方をうけた。
明細書提出済医療費:
2,310円
2025.9
指間のトゲによる腫れ、膿を除去し消毒
ペットの情報
パグ
7歳♀小型犬
症状
指間の腫れ化膿
処方
フィラリア予防薬その他外用薬
症状・いつから?
指間にトゲが刺さり赤く腫れた。
動物病院での診断・治療
膿を除去して洗浄、消毒し塗り薬、飲み薬を処方。
明細書提出済医療費:
7,711円
膿皮症の基本情報
膿皮症とは?
皮膚の常在菌であるブドウ球菌などが、何らかの原因で異常に増殖し、炎症を起こす病気です。
赤いブツブツ(発疹)、かゆみ、フケ、脱毛、独特の臭いなどがみられます。
主な原因
皮膚のバリア機能の低下が根本的な原因です。
その背景には、アトピーや食物アレルギー、ホルモンの異常(甲状腺機能低下症など)、不衛生な環境、高温多湿、間違ったスキンケア(洗いすぎ、乾かし不足)などがあります。
日常でできる予防法
皮膚を清潔に保つことが基本です。
獣医師の指導のもと、適切なシャンプーで定期的に洗い、根本原因(アレルギーなど)がある場合はその管理を行います。
高温多湿を避け、通気性の良い環境を保ち、シャンプー後はしっかり乾かすことが重要です。
ペット保険で膿皮症の医療費に備えるメリット
上記事例の通り、膿皮症の治療費は1回あたり数千円~1万円程度ですが、再発しやすい病気のため継続的な治療が必要になることがあります。再発しやすい病気への継続的な備え
膿皮症は再発しやすい皮膚疾患です。体験談でも「何度も繰り返す」「定期的な通院が必要」といった、継続的な治療が必要なケースが見られました。
ペット保険に加入していれば、再発時の治療費も補償対象となり、経済的な負担を軽減できます。
検査費用の負担を軽減
膿皮症の診断には皮膚検査や細菌培養検査が必要な場合があります。体験談でも「皮膚検査を実施」「細菌検査で原因特定」といった、複数の検査を受けるケースが見られます。
ペット保険があれば、これらの検査費用も補償対象となり、必要な検査をためらわずに受けられます。
経済的な安心が早期受診につながる
ペット保険に加入する最大のメリットは、経済的な安心感です。治療費の心配が軽減されることで、獣医師の提案する検査や治療をためらわずに受けられるようになります。
膿皮症は早期発見・早期治療が重要な病気です。ペット保険で備えておくことで、大切なペットの健康を守る選択肢が広がります。
💡 ペット保険を検討中の方へ
膿皮症は再発しやすい皮膚疾患です。
健康なうちに加入しておくことで、万が一の時も安心して治療に専念できます。
本記事で紹介している保険の補償内容や加入条件は、保険会社・プランにより異なります。具体的な補償範囲、引受条件、保険料等については、必ず各保険会社の約款・重要事項説明書をご確認いただくか、直接保険会社へお問い合わせください。
獣医師が回答!よくある疑問(Q&A)
Q.1 どんな症状が出たら、膿皮症を疑うべきですか?
皮膚に「赤いブツブツ(発疹)」や「膿を持った膿疱」ができるのが特徴です。痒みを伴うことが多く、犬が掻…閉じる ▲
Q.2 膿皮症かどうか、家で判別する方法はありますか?
飼い主様が「膿皮症」と診断(判別)することは難しいです。皮膚が赤い、痒そう、という症状は他の皮膚病と…閉じる ▲
Q.3 膿皮症と間違いやすい病気はありますか?
膿皮症と間違えやすい病気には、「皮膚糸状菌症」「毛包虫」「天疱瘡」「皮膚型リンパ腫」などがあります。…閉じる ▲
Q.4 痒そうな時、家でできる応急処置はありますか?
飼い主様の判断でお薬を塗るのは悪化の原因になるので避けてください。もし動物病院で処方されている「薬用…閉じる ▲
Q.5 膿皮症の予防や、再発防止のためにできることはありますか?
膿皮症は、皮膚のバリア機能が低下したときに細菌が感染して起こります。そのため、皮膚を清潔に保つための…閉じる ▲
Q.6 食事(フード)は変えたほうが良いのでしょうか?
膿皮症そのものを治す食事はありません。ですが、先ほどお話ししたように、「アトピー性皮膚炎」や「食物ア…閉じる ▲
Q.7 膿皮症は完治しますか? 再発しやすいですか?
正確な診断に基づき、抗生剤やシャンプーなど適切な治療がされれば、症状が緩和や発症頻度を少なくすること…閉じる ▲
Q.8 膿皮症になりやすい犬種はありますか?
はい、皮膚のバリア機能が弱い犬種や、皮膚にシワが多い犬種はなりやすいです。例えば、柴犬やシーズー、フ…閉じる ▲
Q.9 治療費はどれくらいかかりますか?
治療費は、軽症か重症か、再発をどの程度繰り返すかによって大きく異なります。一般的な初期の治療は、数週…閉じる ▲
Q.10 膿皮症はペット保険に対応していますか?
はい、膿皮症は多くのペット保険で補償対象となっています。ただし、保険加入前に診断されている病気や、加…閉じる ▲
Q.11 膿皮症と診断された後に、保険に入ることは可能ですか?
保険に「加入」すること自体は保険会社によって判断が異なりますが、その「膿皮症」は補償対象外(不担保)…閉じる ▲
本記事で紹介している保険の補償内容や加入条件は、保険会社・プランにより異なります。具体的な補償範囲、引受条件、保険料等については、必ず各保険会社の約款・重要事項説明書をご確認いただくか、直接保険会社へお問い合わせください。
本記事は2025年12月時点の医学的知見に基づき監修されています。
















