症例編

【獣医師監修】犬のクッシング症候群:診療明細書とリアルな口コミからわかる症状と治療

※ 本記事は全国の動物病院から収集した実際の診療明細書と、それに紐づいた飼い主様の口コミをもとに、獣医師が監修・分析し作成しています。

一般的なペット情報サイトでは、誰でも匿名で投稿できるため、その情報が本当に治療を受けた飼い主様の実体験なのか判断が難しいケースも少なくありません。当サイトでは、「診療明細書」という客観的な証拠に基づいた情報提供に徹底してこだわり、信頼できる情報だけを厳選しています。


詳細なデータソースについては、以下の調査概要をご確認ください。

調査概要

調査期間 2024年9月1日〜2025年10月31日
調査対象 期間中に動物病院を受診し、診療明細書を保有する飼い主
有効回答数 5,772サンプル(診療明細書の画像提出あり)
調査手法 実際の診療明細書画像の提出を必須とした、一次情報に基づくWeb調査
調査実施者 ペット保険のトリセツ(運営:株式会社アニマライフ)

本調査は、飼い主様より直接ご提供いただいた「診療明細書」の画像とそれに紐づく口コミを元に独自に集計や処置内容は、症状の進行度や動物病院、個体差によって異なりますので、あくまで参考情報としてご活用ください。


獣医師が解説:クッシング症候群の診断と治療ポイント

監修獣医師|平松 育子 先生
山口大学農学部獣医学科卒業。日本獣医がん学会、日本獣医皮膚科学会、日本ペット栄養学会所属。皮膚科と内科、予防医療に注力する。

2006年~2023年 ふくふく動物病院 院長
2023年~ ペテモ動物病院 院長
2023年~ アイビー・ペットライディング 代表 ペット専門のライターとして執筆、監修を行う。
🩺 獣医師からのコメント

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)は、中高齢の犬に比較的多く見られるホルモン疾患です。

クッシング症候群は、「多飲多尿(水を飲む量と尿の量が多い)」「食欲が異常に強い」「左右対称性の脱毛」「皮膚が薄くなる」「お腹が膨らんでいる(腹部膨満)」など、非常に多彩な症状を示します。

症状の進行が緩やかなことが多いため、飼い主様が「老化のせい」と考え、病気として認識されにくい側面があります。

今回のケースのように、トリミングサロンや動物病院で第三者に指摘されて初めて気づくことも少なくありません。

診断のためには、血液検査、尿検査、腹部超音波検査(副腎の大きさや肝臓の状態を評価)、さらにはACTH刺激試験などのホルモン負荷試験が必要となります。

治療は、主に内服薬によって過剰なホルモンをコントロールすることが一般的ですが、原因(脳下垂体の異常か、副腎の腫瘍か)によって治療方針や予後が異なるため、早期の正確な診断が重要となります。

実際の口コミ・体験談事例一覧

8/23/2025

トリミング時にお腹の膨らみを指摘され検査

ペットの情報

ヨークシャーテリア

6歳小型犬

保険加入

症状

腹部膨満

院内処置

血液検査レントゲン検査

処方

シャンプー・ケア用品

症状・いつから?

トリミングの際、お腹が膨らんでいるとのことで一緒に検査してもらうことになりました

明細書提出済医療費:

19,970

ペット保険でクッシング症候群の医療費に備えるメリット

上記事例の通り、クッシング症候群は診断に複数回の検査が必要で初期費用は数万円、その後も毎月の投薬と定期検査が必要となり、年間の医療費は十数万円に達することもあります。

高額な診断費用をカバー

クッシング症候群の確定診断にはACTH刺激試験などの特殊検査が必要です。

これらの検査費用もペット保険でカバーできます。

継続的な投薬治療を補償

クッシング症候群は生涯にわたる投薬管理が必要です。

多くのペット保険では、慢性疾患の継続治療も補償対象となるため、長期的な経済的負担を軽減できます。

合併症の治療にも対応

クッシング症候群は糖尿病や皮膚疾患などの合併症を起こしやすい病気です。

保険があれば、これらの合併症治療にも安心して対応できます。

💡 ペット保険を検討中の方へ

クッシング症候群は適切な治療で症状をコントロールできる病気です。
ペット保険で経済的な不安を減らし、愛犬の生活の質を守りましょう。

獣医師が回答!よくある疑問(Q&A)

飼い主さん
飼い主さん
症状/見分け方
Q.1 どんな症状が出たら、クッシング症候群を疑うべきですか?
獣医師
獣医師
クッシング症候群の症状は、ゆっくり進行するのが特徴です。「水を飲む量やおしっこの量が異常に増えた(多…
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A.1 クッシング症候群の症状は、ゆっくり進行するのが特徴です。「水を飲む量やおしっこの量が異常に増えた(多飲多尿)」「すごく食欲旺盛になった」「お腹だけがぽっこり膨らんできた(腹部膨満)」などが代表的ですね。ほかにも、左右対称に毛が抜けたり、皮膚が薄くなって血管が透けて見えるようになることもあります。

飼い主さん
飼い主さん
症状/見分け方
Q.2 クッシング症候群かどうか、家で判別する方法はありますか?
獣医師
獣医師
飼い主様が「クッシング症候群」と診断(判別)することは不可能です。診断には、動物病院での詳しい血液検…
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A.2 飼い主様が「クッシング症候群」と診断(判別)することは不可能です。診断には、動物病院での詳しい血液検査(ホルモンの異常を調べる特殊な検査)や、超音波(超音波検査)検査で副腎の大きさを見ることが必ず必要になります。クッシング症候群が疑われるような症状があれば、早めに動物病院を受診しましょう。

飼い主さん
飼い主さん
症状/見分け方
Q.3 クッシング症候群と間違いやすい病気はありますか?
獣医師
獣医師
はい、あります。「多飲多尿」という症状は、「糖尿病」や「腎臓病」などでも見られます。「脱毛」や「元気…
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A.3 はい、あります。「多飲多尿」という症状は、「糖尿病」や「腎臓病」などでも見られます。「脱毛」や「元気がない」といった症状は、「甲状腺機能低下症」などの他のホルモン関連の病気でも観察されます。

飼い主さん
飼い主さん
対処/予防
Q.4 応急処置はありますか? 水を飲むのを制限したほうが良いですか?
獣医師
獣医師
クッシング症候群そのものに対する飼い主様ができる応急処置はありません。疑わしい症状が現れた際には、早…
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A.4 クッシング症候群そのものに対する飼い主様ができる応急処置はありません。疑わしい症状が現れた際には、早期に病院を受診して適切な処置・投薬をすることが望ましいです。家庭内では、水を飲む量や尿量が増える症状などが見える場合は、飲水の制限をする必要はありません。

飼い主さん
飼い主さん
対処/予防
Q.5 クッシング症候群は予防できますか?
獣医師
獣医師
残念ながら、発症(多くは脳や副腎の腫瘍が原因)を直接予防する有効な方法はありません。ただし、「医原性…
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A.5 残念ながら、発症(多くは脳や副腎の腫瘍が原因)を直接予防する有効な方法はありません。ただし、「医原性クッシング」といって、アトピーなどの治療でステロイド剤を長期間使用した結果、クッシングと同じ状態になることがあります。これは、獣医師と相談しながらお薬の量を調整することで、管理・予防することが可能です。

飼い主さん
飼い主さん
対処/予防
Q.6 食事で何か気をつけることはありますか?
獣医師
獣医師
クッシング症候群を直接治す食事はありませんが、この病気は高血圧や高脂血症、糖尿病などを合併しやすいた…
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A.6 クッシング症候群を直接治す食事はありませんが、この病気は高血圧や高脂血症、糖尿病などを合併しやすいため、その「合併症の管理」が非常に重要です。獣医師の指導のもと、脂肪分を抑えたフードや、タンパク質やミネラルを調整した処方食に切り替えることがあります。肥満も負担になるため、体重管理は必須ですね。

飼い主さん
飼い主さん
病気について
Q.7 クッシング症候群は完治しますか?
獣医師
獣医師
クッシング症候群が完治する可能性は残念ながら低いでしょう。原因が「副腎の腫瘍」で、それが片側だけであ…
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A.7 クッシング症候群が完治する可能性は残念ながら低いでしょう。原因が「副腎の腫瘍」で、それが片側だけであれば、手術で腫瘍を摘出することで「完治」を目指せる場合があります。しかし、最も多い「脳下垂体の異常(脳腫瘍など)」が原因の場合は、完治は難しく、生涯にわたってお薬でホルモン量をコントロールし、症状と付き合っていく「管理」が治療の中心になります。

飼い主さん
飼い主さん
病気について
Q.8 クッシング症候群になりやすい犬種はありますか?
獣医師
獣医師
はい、比較的なりやすいとされる犬種がいます。一般的に中高齢(7〜8歳以上)での発症が多いですね。犬種…
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A.8 はい、比較的なりやすいとされる犬種がいます。一般的に中高齢(7〜8歳以上)での発症が多いですね。犬種としては、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアン、シーズー、ボストン・テリアなどで報告が多い傾向があります。

飼い主さん
飼い主さん
費用/ペット保険
Q.9 治療費はどれくらいかかりますか?
獣医師
獣医師
クッシング症候群は、診断と治療、両方で費用がかかる病気です。まず、診断を確定するための特殊なホルモン…
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A.9 クッシング症候群は、診断と治療、両方で費用がかかる病気です。まず、診断を確定するための特殊なホルモン検査(ACTH刺激試験など)が数回必要で、これが高額になることがあります。治療が始まると、多くの場合、生涯にわたってホルモンを抑えるお薬(トリロスタンなど)が必要になります。さらに、お薬が効きすぎていないか、肝臓に負担がかかっていないかなどを定期的にモニタリングするための検査も必須となり、長期的に費用がかかります。

飼い主さん
飼い主さん
費用/ペット保険
Q.10 クッシング症候群はペット保険に対応していますか?
獣医師
獣医師
はい。クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)は「病気」ですので、一般的にペット保険の補償対象となりま…
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A.10 はい。クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)は「病気」ですので、一般的にペット保険の補償対象となります。診断のための検査費用、生涯続く可能性のあるお薬代、定期的なモニタリング検査費用などが対象になることが多いです。(※ただし、保険加入前に診断されている病気や、加入後の待機期間中に発症した場合は対象外となります。)

飼い主さん
飼い主さん
費用/ペット保険
Q.11 クッシング症候群と診断された後に、保険に入ることは可能ですか?
獣医師
獣医師
保険に「加入」すること自体は可能な場合が多いですが、その「クッシング症候群」は補償対象外(不担保)と…
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A.11 保険に「加入」すること自体は可能な場合が多いですが、その「クッシング症候群」は補償対象外(不担保)となるのが一般的です。ペット保険は「加入前の病気(既往症)」は補償されません。クッシング症候群は生涯にわたる治療が必要なため、加入時に告知をすると、将来にわたってクッシング症候群、およびそれによって引き起こされる合併症(高血圧、糖尿病など)も補償されなくなる可能性が非常に高いです。

本記事は2025年12月時点の医学的知見に基づき監修されています。


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