※ 本記事は全国の動物病院から収集した実際の診療明細書と、それに紐づいた飼い主様の口コミをもとに、獣医師が監修・分析し作成しています。
一般的なペット情報サイトでは、誰でも匿名で投稿できるため、その情報が本当に治療を受けた飼い主様の実体験なのか判断が難しいケースも少なくありません。当サイトでは、「診療明細書」という客観的な証拠に基づいた情報提供に徹底してこだわり、信頼できる情報だけを厳選しています。
詳細なデータソースについては、以下の調査概要をご確認ください。
調査概要
| 調査期間 | 2024年9月1日〜2025年10月31日 |
| 調査対象 | 期間中に動物病院を受診し、診療明細書を保有する飼い主 |
| 有効回答数 | 5,772サンプル(診療明細書の画像提出あり) |
| 調査手法 | 実際の診療明細書画像の提出を必須とした、一次情報に基づくWeb調査 |
| 調査実施者 | ペット保険のトリセツ(運営:株式会社アニマライフ) |
本調査は、飼い主様より直接ご提供いただいた「診療明細書」の画像とそれに紐づく口コミを元に独自に集計や処置内容は、症状の進行度や動物病院、個体差によって異なりますので、あくまで参考情報としてご活用ください。
犬の肝炎に関する口コミ・体験談
症状と通院の傾向をまとめた口コミ要約
- 最も多かった症状は「検査値の異常」
- 「血液検査の基準値が高い」との報告があり、健康診断や別の症状での受診時に肝臓の異常が発見されるケースが見られる
- 「慢性肝炎でずっと前から治療をしている」との記載から、長期的な継続治療が必要な慢性疾患であることがわかる
獣医師が解説：肝炎の診断と治療ポイント
肝炎では「食欲不振」や「嘔吐」「元気消失」「黄疸」などの症状が見られますが、初期症状が現れていないことも多くあります。定期的な健康診断が早期発見の鍵となることがわかります。慢性肝炎では長期間にわたり無症状で進行することがあるため、年に1-2回の血液検査で肝機能（ALT、AST、ALP、GGTなど）をチェックすることが重要です。
肝炎の主な原因は、感染症（レプトスピラ、犬伝染性肝炎ウイルスなど）、薬物や毒物、免疫介在性疾患、胆道系疾患、腫瘍などがあげられます。特に慢性肝炎では、原因が特定できない特発性のケースも多く見られます。
診断では血液検査により肝酵素の上昇を確認し、超音波検査やレントゲン検査で肝臓の大きさや構造を評価します。確定診断には肝生検が必要な場合もありますが、まずは血液検査での肝機能のモニタリングが中心となります。内科的治療（肝保護剤、抗酸化剤、利胆剤など）を継続しながら、定期的な血液検査で肝機能の推移を観察します。
肝炎は一度診断されると、生涯にわたる管理が必要になることが多い病気です。長期的な服薬管理により「検査数値も基準値内で元気に過ごしています」という良好な経過が得られています。症状が安定していても自己判断で投薬を中止せず、獣医師の指示通りに継続することが重要です。また、肝臓に負担をかける食事（高脂肪食、高タンパク質食）を避け、肝臓サポート用の療法食への変更も検討してください。
実際の口コミ・体験談事例一覧
2025.9
慢性肝炎で継続治療、検査値は基準内で元気
ペットの情報
トイプードル
13歳♂小型犬
動物病院での診断・治療
肝臓の疾患が見つかりそれからずっと服用しています。
その後の経過・自宅ケア
おかげで検査数値も基準値内で元気に過ごしています。
明細書提出済医療費：
10,560円
2025.7
慢性肝炎で継続治療
ペットの情報
トイプードル
12歳♀小型犬
症状・いつから？
慢性肝炎でずっと前から治療をしています。
明細書提出済医療費：
24,420円
2025.7
検査値異常で慢性肝炎と診断
ペットの情報
ウエストハイランドホワイトテリア
3歳♂不明
院内処置
その他処置血液検査
症状・いつから？
血液検査の基準値が高く治療
明細書提出済医療費：
4,070円
肝炎の基本情報
肝炎とは？
肝炎は、肝臓に炎症が起こる病気です。
感染症（犬伝染性肝炎ウイルス、レプトスピラなど）、薬物や毒物、免疫介在性疾患、胆道系疾患、腫瘍などが原因で発症します。
急性肝炎と慢性肝炎があり、急性肝炎は突然発症して重篤な症状を示すことがありますが、適切な治療により回復する可能性があります。
慢性肝炎は長期間にわたり徐々に進行し、初期は無症状のことが多いですが、進行すると肝硬変や肝不全に至ることがあります。
主な原因
感染症（犬伝染性肝炎ウイルス、レプトスピラ、犬ヘルペスウイルスなど）、薬物や毒物（抗てんかん薬、NSAIDs、化学物質など）、免疫介在性疾患（自己免疫性肝炎）、胆道系疾患（胆管炎、胆管閉塞）、銅代謝異常（特定犬種に多い）、腫瘍、遺伝的要因などが主な原因として挙げられます。
慢性肝炎では、原因が特定できない特発性のケースも多く見られます。
日常でできる予防法
定期的な健康診断（年1-2回の血液検査。
ハイシニアになれば1年に3～4回）により肝機能をチェックする、混合ワクチン接種により犬伝染性肝炎などの感染症を予防する、肝臓に負担をかける食事（高脂肪食、人間の食べ物）を避ける、肝臓毒性のある薬剤やサプリメントの長期使用を避ける、適度な運動と肥満予防により肝臓への負担を減らす、清潔な水を常に用意し脱水を防ぐ、などが有効です。
症状がなくても定期検診を受けることが早期発見の鍵です。
ペット保険で肝炎の医療費に備えるメリット
上記事例の通り、肝炎の治療費は検査や入院が必要になると数万円～十数万円に達することがあります。高額な検査・入院費用をカバー
肝炎の診断には血液検査や超音波検査が必要です。体験談でも「血液検査で肝機能異常」「超音波検査を実施」といった、複数の検査を受けるケースが見られました。
重症化した場合は入院治療が必要になることもあり、ペット保険があれば高額な医療費も補償対象となります。
継続的な投薬治療の負担を軽減
肝炎は長期的な投薬管理が必要な場合があります。定期的な通院と投薬で、年間の医療費が積み重なります。
ペット保険があれば、継続的な治療費用の負担を軽減できます。
経済的な安心が早期受診につながる
ペット保険に加入する最大のメリットは、経済的な安心感です。治療費の心配が軽減されることで、獣医師の提案する検査や治療をためらわずに受けられるようになります。
肝炎は早期発見・早期治療が重要な病気です。ペット保険で備えておくことで、大切なペットの健康を守る選択肢が広がります。
💡 ペット保険を検討中の方へ
肝炎は重症化すると入院治療が必要になることもあります。
健康なうちに加入しておくことで、万が一の時も安心して治療に専念できます。
本記事で紹介している保険の補償内容や加入条件は、保険会社・プランにより異なります。具体的な補償範囲、引受条件、保険料等については、必ず各保険会社の約款・重要事項説明書をご確認いただくか、直接保険会社へお問い合わせください。
獣医師が回答！よくある疑問（Q&A）
Q.1 どんな症状が出たら、すぐに病院へ行くべきですか？
「食欲不振」「嘔吐」「下痢」「元気消失」「体重減少」「黄疸（歯茎や白目が黄色くなる）」「お腹が膨らん…閉じる ▲
Q.2 肝炎かどうか、自分で判別する方法はありますか？
肝炎は初期段階では無症状のことが多く、自己判断は非常に困難です。進行すると「食欲不振」「嘔吐」「元気…閉じる ▲
Q.3 肝炎と間違いやすい病気はありますか？
肝炎と症状が似ている病気として、「膵炎」「胃腸炎」「腎不全」「クッシング症候群」「糖尿病」などがあり…閉じる ▲
Q.4 肝炎が疑われる時、家でできる応急処置はありますか？
応急処置としては、安静を保ち、消化に良い食事を少量ずつ与える程度にとどめてください。ただし、肝炎は適…閉じる ▲
Q.5 肝炎の予防のために、日常生活でできることはありますか？
はい。最も重要なのは定期的な健康診断（年1-2回の血液検査。ハイシニアになれば、1年に3～4回。）に…閉じる ▲
Q.6 食事で何か気をつけることはありますか？
肝炎の場合、高脂肪食は肝臓に負担をかけるため、低脂肪の療法食への変更が推奨されることがあります。また…閉じる ▲
Q.7 肝炎は完治しますか？
急性肝炎の場合、原因（薬物、毒物、感染症など）を取り除き適切な治療を行えば、完治する可能性があります…閉じる ▲
Q.8 肝炎になりやすい犬種はいますか？
慢性肝炎になりやすい犬種として、コッカースパニエル、ダルメシアン、ベドリントンテリア、ウエストハイラ…閉じる ▲
Q.9 治療費はどれくらいかかりますか？
肝炎の治療費は、病状の重さや必要となる検査内容によって大きく変動します。診断には、血液検査・超音波検…閉じる ▲
Q.10 肝炎はペット保険に対応していますか？
はい、肝炎は多くのペット保険で補償対象となっています。ただし、保険加入前から既に肝炎と診断されていた…閉じる ▲
Q.11 肝炎と診断された後に、保険に入ることは可能ですか？
肝炎と診断された後でも保険に加入することは可能ですが、その肝炎および関連する肝疾患は「既往症」として…閉じる ▲
本記事で紹介している保険の補償内容や加入条件は、保険会社・プランにより異なります。具体的な補償範囲、引受条件、保険料等については、必ず各保険会社の約款・重要事項説明書をご確認いただくか、直接保険会社へお問い合わせください。
本記事は2025年12月時点の医学的知見に基づき監修されています。
