入門編

アボカドを犬に与えないで!成分が招く危険性や食べてしまったときの対処法を解説

少量でも犬の体内に入れれば、中毒症状を引き起こす場合があります。
犬の体質によっては症状が重くなりかねないため、積極的に食べさせないようにしましょう。

この記事では、アボカドによる中毒症状や食べてしまった際の場合の対処法について解説します。

要注意!犬にアボカドを食べさせてはいけない

アボカドの断面

犬に、アボカドを食べさせてはいけません。
アボカドに含まれるペルシンという成分が犬の健康を害する危険があります。

たとえ犬が欲しがっても、安易に食べさせるのは避けましょう。

少量でも危険!中毒症状を引き起こしてしまう可能性がある

アボカドはたとえ少量でも、犬が食べれば中毒症状を引き起こしてしまう可能性があります。
アボカドに含まれる「ペルシン」は、多くの動物にとって有害であり、中毒症状はこのペルシンが原因であると考えられています。

ただし、ペルシンについては未だ解明されていない部分も多く、具体的な致死量や中毒症状が発症されるまでの時間、中毒を起こす品種などがはっきり解明されていません。

しかし、ペルシンの含有量の多いアボカドの場合、少量でも中毒症状が発症したり、体に大きな負担がかかったりする可能性があるため、食べてしまった場合は速やかにかかりつけの動物病院を受診してください。

アボカドを使用したドッグフードは安全性の高い部位のみを使用している

ドッグフードの中には、アボカドを使用したフードもあります。

アボカドは品種によってペルシンの含有量が変わってくるため、ドッグフードにアボカドを配合する場合は、ペルシンの含有率の低い品種や部位の使用などといった工夫をしていると考えられます。

実際、アボダームという商品がありますが、毒性のないアボカドの果肉部とオイルのみが使用され、30年以上にわたってアボカド中毒の報告は1度もないようです。
安全性を考慮したドッグフードの場合、1日あたりの適量を守ればアボカド中毒を発症する可能性は低いでしょう。

しかし、飼い主の勝手な判断でアボカドを加工することは危険です。
また、アボカドへのアレルギーや食べさせることで異変がみられた場合には、原材料にアボカドが使われているドッグフードは避けた方が良いでしょう。

アボカドに含まれる栄養素が犬に与える危険性

たくさんのアボカド

アボカドにはペルシン以外にも、犬の体に害を及ぼす可能性をもつ成分が含まれていますが、具体的にどのような影響を犬に及ぼすのでしょうか。
ここからは、その危険性について解説します。

ペルシン

アボカドの皮や実、葉や種に含まれるペルシンは殺菌作用のある成分です。

人間が食べると高い健康効果が得られる一方、多くの動物が中毒を引き起こします
実際、鳥や馬、ヤギや羊などにおいては中毒症状が報告されており、この情報に基づいて犬にも中毒症状をもたらすと推測されています。

嘔吐や下痢などを引き起こすことも

中毒症状は、ペルシンの含有量の多いアボカドを食べるほど発症の可能性が高いとされています。
一般的に、ペルシンの摂取による中毒症状は以下の通りです。

ペルシンによる中毒症状

・嘔吐
・下痢
・呼吸困難
・痙攣
・心筋障害

犬によっては嘔吐や下痢などで済む場合もあれば、呼吸困難や痙攣、心筋障害など命に関わることもあるため注意が必要です。

参照元|American Kennel Club Can Dogs Eat Avocado?

脂質

アボカド100gあたりの脂質は17.5g、つまり約20%が脂質でできている高脂質食材です。
鶏ささみ肉100gあたりの脂質は1.1gであることと比べると、非常に高脂肪であることがわかるでしょう。

高脂質が肥満や糖尿病を引き起こすことも

脂質の過剰摂取は、以下のような症状を招く可能性があります。

脂肪の過剰摂取が招く症状

・肥満
・糖尿病
・高脂血症
・膵炎

犬が脂質を過剰摂取した場合、膵臓や肝臓に負担がかかります。そのため、たとえアボカドに含まれる脂質が優秀な栄養素であるとしても、摂取し続ければ肥満や高脂血症、糖尿病などの原因になりかねません。
また、脂肪分の多い食事や肥満であることが膵炎を招く可能性もあります。

参照元|日本臨床獣医学フォーラム 急性膵炎

カリウム

アボカドには、カリウムも多く含まれています。

ミネラルの1つであるカリウムは、心臓機能の調節や細胞の浸透圧の維持など、神経や筋肉において重要な役割を果たしています。
また、余計なナトリウムを体外へ排出する働きもあり、塩分の過剰摂取を調節するうえでも欠かせない栄養素です。

過剰に摂取すると高カリウム血症を引き起こすことも

カリウムの過剰摂取は、以下のような症状を招く可能性があります。

カリウムの過剰摂取が招く症状

・嘔吐
・四肢のしびれ
・筋力の低下

カリウムを過剰に摂取すると、嘔吐や四肢のしびれ、筋力の低下など高カリウム血症を引き起こし、重篤な場合は命に関わります。
特に腎機能が衰えている犬の場合はカリウムを十分に排出できず、高カリウム血症を誘発するリスクが高くなります。

参照元|ペット栄養学会誌 ミネラルの役割と要求量
参照元|インターズー 動物栄養管理学

アボカドを加工した食品も同様に与えないように注意

毛布と犬

アボカドは生の状態だけでなく、加工した食品も与えないようにする必要があります。
ここからは、アボカドを加工した食品と、与えてはいけない理由について紹介します。

アボカドサラダ

アボカドサラダを犬に与えるのは控えましょう。
アボカドの有害性だけでなく、塩分や油分などが調味料として使われていることも多く、犬の腎臓や肝臓、心臓などに負担をかけることになります。

また、サラダにはアボカドのほか、玉ねぎなど犬にとって有害な食材が入っている可能性もあるため、犬に与えるのはおすすめしません。

アボカドチップス

アボカドチップスも、犬の健康を害する恐れがあります。
野菜の中には、加熱すれば犬に与えても問題ないというものもありますが、アボカドは加熱した場合の安全性が現在確認されていません

また、人間用のものは塩などで味付けしている場合が多く、犬が塩中毒を引き起こしてしまう可能性があります。

アボカドオイル

アボカドオイルを与えることも、犬の健康にとってはリスクが高い食品です。
製造国によって基準が変わることもあるため、オイル中に毒性の高いペルシンが含まれている可能性があります。

気づかぬうちに中毒症状を引き起こす危険があるので、積極的にアボカドオイルを与えるのは避けてください。

アボカドに含まれる栄養素を補える別の食べ物

スライスしたアボカド

アボカドに含まれる栄養素を犬に摂取させたい場合、別の食べ物を与えることで補うことが可能です。
ここからは、アボカドに含まれる栄養素を補える食材について紹介します。

オレイン酸(不飽和脂肪酸)

アボカドには、不飽和脂肪酸の1つであるオレイン酸が多く含まれています。
オレイン酸は、悪玉コレステロールの数値を低下させたり、便秘を解消したりする働きが期待できます。

また、このオレイン酸は酸化されにくいという特徴も持ち合わせており、免疫力の向上や生活習慣病などの予防効果も期待できます。

オリーブオイルやなたね油を与えて補うこともできる

オレイン酸(不飽和脂肪酸)は、オリーブオイルや、なたね油などから補うことができます。
いつものドッグフードにかけたり、食材を炒めるときに使ったりすると効率良く摂取できるでしょう。

なお、オリーブオイルやなたね油はカロリーが高いため、過剰に摂取すれば下痢などを起こしかねません
かえって体調不良を引き起こさないよう、犬の便の状態を確認しながら量を調節してください。

参照元|健康長寿ネット 三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量場合

葉酸

葉酸は水溶性ビタミンの1つで、神経組織の発達や細胞の産生などに大きな関わりがあります。
また、葉酸がもたらす赤血球の生成作用によって、栄養不足などで発症しやすい貧血予防にもなるため、適量を与えるのはおすすめです。

葉酸不足になるとお腹の赤ちゃんの成長に影響が出る場合もあるため、特に犬が妊娠中の場合は積極的に摂取することを検討してみましょう。

ブロッコリーやとうもろこしを与えて補うこともできる

葉酸は、ブロッコリーやとうもろこしなどから補うことができます。

水に流れ出やすい栄養素であるため、茹でるよりも蒸し焼きや電子レンジで加熱する方が葉酸の流出が少ないのでおすすめです。
喉に詰まらせないよう細かく刻んだり、ミキサーなどでペースト状にしたりして食べさせましょう。

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犬がアボカドを食べてしまったときの対処法

伏せている犬

犬がアボカドを食べてしまった場合、症状が悪化しないよう早急な対処が必要となります。
ここからは、万が一アボカドを食べてしまったときの対処法について紹介します。

速やかにかかりつけの動物病院で処置を受けることが大切

アボカドを食べてしまった場合は、速やかにかかりつけの動物病院へ行き、適切な処置を受けましょう。
アボカドの中毒症状は、毒性のあるペルシンが消化管から吸収されてから発症するため、食べてから時間が経っていても油断できません

特に種を飲み込んだ場合は、窒息や腸閉塞などの危険性が高まるため、早急に動物病院を受診してください。

なお、自宅でアボカドを無理に吐かせることは控えましょう。
素人判断で吐かせると、胃や食道への障害や誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性があります。

夜間などの緊急時には救急対応している動物病院へ

休日や夜間など、かかりつけの動物病院が開いていない時間に犬がアボカドを食べてしまった場合には、速やかに救急対応している動物病院に連絡しましょう。
犬の性別や年齢や具体的な症状、意識の有無などを電話で伝え、その他の事項に関しては電話口のスタッフの指示に従ってください。

万が一のときに冷静に対応できるよう、日常から地域の救急医療態勢を調べておくことをおすすめします。
「どこの救急対応の動物病院が良いのかわからない」と不安な場合は、かかりつけの獣医から提携している夜間病院を紹介してもらうと良いでしょう。

食べた時間帯や量について落ち着いて伝えられるようまとめておく

診察の際は、できるだけ詳しく正確に犬の症状を獣医に伝えることが大切です。
落ち着いて少しでも多くの情報を伝えられるよう、以下の内容をメモしておきましょう。

メモしておくと役に立つ項目

・症状に気づいた時間帯
・食べた時間帯
・食べた量
・食べた部位(種や実など)
・嘔吐や下痢の回数

これらを獣医に的確に伝えられると、処置をスムーズに進めやすくなります。

催吐処置や全身麻酔をかけた胃洗浄など費用が高額になることも

犬がアボカドを食べてしまった場合、一般的に動物病院では以下のような処置や検査を行います。

動物病院での治療方法

・催吐処置
・胃洗浄
・内視鏡
・開腹手術

犬の状態や症状によっては、入院して集中治療が必要となる場合もあります。
また、手術を行う場合は全身麻酔が必要になるため、治療費が高額になることも考えられます。

急な体調不良に備えてペット保険の加入もおすすめ

笑顔の犬

現在、日本にはペットを対象とした公的な保険がありません。そのため、愛犬の病気やケガの具合によっては治療費の負担がかなり大きくなることもあります。

そんなときに助けとなってくれるのが、ペット保険です。
愛犬の急な体調不良に備えて、ペット保険の加入を検討することをおすすめします。

愛犬に異変が起きた際に迷わず受診できる

ペット保険に加入しておくことで、治療にかかる費用の負担を抑えることができます。
「いつもと様子が違う」「体調が悪そうだな」と思ったとき、お金の負担を気にせず動物病院に連れて行けるようになるでしょう。

病気の早期発見、早期治療ができれば、愛犬の身体的負担を減らせるでしょう。

また、経済的な理由で諦めることなく適切な治療を愛犬に受けさせられます
このように動物病院を受診するハードルが低くなることは、ペット保険の加入メリットといえます。

とはいえ、ペットの体調不良に備える手段は保険以外に貯蓄もあります
以下の記事では、獣医師の専門的な知見から、ペット保険に加入したほうがいい人について紹介しています。合わせてご確認ください。

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まとめ

アボカドは犬にとって危険な食材です。アボカドに含まれるペルシンによって中毒症状を起こす可能性があり、栄養が高いからといってリスクを背負ってまで犬に食べさせる必要性はありません。
万が一アボカドを食べてしまった場合は、速やかに動物病院へ連れていきましょう。

治療内容によっては高額になることもあるため、こうした不測の事態の備えとしてペット保険に入っておくと安心です。

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ペット保険のスペシャリストである少額短期保険募集人資格保有者が記事の執筆・監修をしています。ペット保険の情報をわかりやすくお伝えすべく、日々最先端のペット保険情報をチェックしています。犬や猫の「もしものとき」に備えるためのペット保険選びを正しい情報でサポートします。
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