楽天ペット保険 バナー
症例編

【獣医師監修】猫喘息の症状や発症の原因|喘息の症状がみられた時の対処法や診療費事例とあわせて解説

猫喘息は、気道の炎症で気管支が狭くなり、発作性の咳などが生じる病気です。場合によっては重度の呼吸障害などを起こすこともあり、早急な対応が求められます。

本記事では、猫喘息の症状や発症の原因、診療費への備えとしてのペット保険について解説します。

猫喘息を発症した猫にみられる症状

眠る猫2匹

猫喘息とは、猫の呼吸器疾患の1つで、アレルゲンなど何らかの原因による気管支の炎症から気道が狭くなることで引き起こされます。

年齢を問わず発症するリスクが有り、症状が長引けば呼吸困難など深刻化する恐れもあるため、注意しましょう。

まずは、猫喘息を発症した猫にみられる症状について解説します。

猫喘息を発症した猫にみられる症状としてまず挙げられるのが、咳です。

猫は犬と違い、普段は咳をほとんどしません。そのため、咳が続く場合は症状が進行している可能性が高いでしょう。

猫が咳をする場合、顎を前方に伸ばして軽く舌を出したり、強い咳では床に首やお腹を擦りつけるような体勢になったりするのが特徴です。

咳を繰り返す、発作的に1分以上続けて咳をするなどの様子がみられる場合は、速やかに動物病院を受診して詳しく検査しましょう。

特に気管支喘息は重度になると命にかかわる恐れがあるため、症状の変化に注意が必要です。

*参照元:壱岐動物病院|発咳

「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸

猫喘息を発症すると、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸音がみられることもあります。
こうした呼吸音は「喘鳴(ぜんめい)」といわれ、気管支内の分泌物の増加により狭くなった気道の内部で、空気が通る時に発生します。

喘鳴は、猫喘息などの呼吸器疾患をはじめ、心臓疾患や腫瘍、腹膜炎などを患っている可能性も考えられるため注意しましょう。

体力の消耗などにも繋がるため、呼吸音がいつもと異なる、普段よりも苦しそうにみえる場合は、早めの獣医師への相談をおすすめします。

呼吸回数が多く疲れやすくなる

呼吸回数が増加し、疲れやすくなるのも猫喘息の症状の1つです。これは、喘息によって気管や肺の機能が低下するからです。

一般的に、猫の正常な呼吸回数は毎分20回〜40回程度、寝ている時は15回〜25回程度といわれています。こうした回数よりも多い場合、異常な呼吸をしていると考えられるでしょう。

特に安静時における呼吸の異常は、喘息に限らず、鼻や口から肺、もしくは胸部全体に何らかの病気を抱えている可能性もあります。

また、呼吸回数の増加に加えて、猫がハァハァと口を開けて呼吸をしている場合は要注意です。

猫は口を開けた呼吸をほとんどしません。開口呼吸がみられる場合は早急な治療が求められます。
定期的に愛猫の呼吸数を確認し、異変を感じる場合は、様子をみることなく、速やかにかかりつけの獣医師に相談しましょう。

*参照元:日本動物医療センター|猫の呼吸が速い!考えられる病気と対処法

呼吸困難

猫喘息の発作が酷い場合、呼吸困難に陥る場合があります。

呼吸困難を起こした場合、全身へ酸素を送れなくなることに加えて、老廃物である二酸化炭素を排泄できなくなるため、命にかかわりかねません

呼吸困難を起こしている猫にみられる様子
  • あまり動かずに背中を丸めるような姿勢をする
  • 腹部を大きく動かして呼吸をしようとする

症状が悪化した場合、開口呼吸がみられる場合もあり、さらに酷くなるとチアノーゼや虚脱状態にもなりかねません。

呼吸器疾患は容態が急変することも少なくないため、手遅れになる前にかかりつけの動物病院を受診してください。

状態の悪化を防ぐために、呼吸困難を起こしている猫を移動させる際は、なるべく体勢を変えないように注意しましょう。

*参照元:東京動物病院24|呼吸困難について

チアノーゼ

猫喘息の症状が進行してチアノーゼがみられる場合、とても危険な状態であると考えられます。
チアノーゼとは、主に口の中や舌、歯茎や目の粘膜が白っぽい、もしくは青紫色に変色する症状で、血液中の酸素量が著しく少なくなっている状態です。

チアノーゼがみられる場合、猫喘息がかなり進行しているというサインであり、放置すると命にかかわりかねません。
緊急性が高く、早急に治療する必要があるため、速やかに動物病院を受診してください。

猫喘息の好発品種と発症の原因

フテネコ

ここからは、猫喘息の好発品種と発症の主な原因について解説します。

猫喘息が起こる原因は、アレルギーやストレスなどさまざまな原因が挙げられます。症状がみられる場合は、以下の原因に当てはまっていないか確認しましょう。

幅広い品種で発症が認められるもののシャム猫がかかりやすい

猫喘息は、幅広い品種で発症が多く認められているものの、特にシャム猫が発症しやすい傾向があるといわれています。

また、発症年齢としては若齢〜中年齢の猫が多く、中でも2〜3歳ぐらいの比較的若い成猫が発症すると重症化しやすいという報告があり、注意が必要です。

猫喘息は治療をせずに放置すると、重症化して重篤な状態に陥りかねません。少しでも咳や呼吸の荒さなどがみられる場合は、早期に動物病院を受診することをおすすめします。

参照元:Journal of Feline Medicine and Surgery(2010)|Feline asthma: what’s new and where might clinical practice be heading?
PEPPYvet|第4回下部呼吸器疾患の治療

基本的にはアレルギーが原因で発症する

猫喘息の主な発症原因として疑われているのは、アレルギーです。体内に入ってきた異物に対して過剰反応することで、喘息が引き起こされます。

具体的には、以下のものが猫喘息の発症や悪化に関係していると考えられています。

  • ハウスダスト
  • 香水
  • タバコ
  • ブタクサやスギなどの花粉
  • 塗料などの化学物質

例えば、喘息の症状が春や夏だけなど季節によってみられる場合は、植物の花粉に反応している可能性が高いでしょう。

また、家具の新調やマンションの外壁塗り替え工事などが猫の呼吸器系に影響を及ぼすこともあります。

参照元:平野動物病院|化学物質アレルギーが疑われた猫の3例

生活環境からアレルゲンを排除すれば予防にもつながる

猫喘息は、アレルギー性によるものが多く、いきなり発症してしまうことも少なくありません。
そこで、きっかけとなり得るアレルゲンをなるべく生活環境から排除しておくことで、猫喘息の予防効果が期待できます。

例えば、特定の部屋に入った時やにおいなど、猫が咳をする状況の共通点を観察してみると良いでしょう。

なお、過去にアレルギー反応がなかった場合でも、年齢や体調次第で突然アレルギー反応を起こすことがあるため注意が必要です。

ウイルス感染やストレスなど非アレルギー性の発症ケースもある

猫喘息を起こしている場合、ウイルス感染やストレスなど非アレルギー性のものを原因として発症している可能性も懸念されます。

特にウイルス感染の場合、気道に炎症を起こすため、症状悪化の原因となります。

また、猫はストレスを感じやすく、ちょっとした環境の変化で免疫機能のバランスを崩すことも少なくありません。

ストレスによって免疫力が低下すると、喘息に加えて下痢や嘔吐、呼吸困難や食欲不振、脱毛症などを引き起こす可能性があります。

さらに、重症化しやすくなるといった悪循環にも陥りやすいため、注意が必要です。

参照元:一般社団法人・日本臨床獣医学フォーラム|ストレス

猫喘息の治療にはペット保険が適用できる場合がある

万歳猫

猫喘息は、症状によっては治療が長期にわたる可能性が高く、診療費が予想以上にかかってしまうケースも少なくありません。
こうした経済的負担に備えて、ペット保険の加入について検討しておきましょう。

猫喘息の主な検査方法

猫喘息が疑われる場合、一般的には病歴や症状、血液検査やレントゲン検査、治療への反応などから総合的に判断されます。
ただし、軽度の喘息や初期症状の場合はレントゲン検査や血液検査で変化がわかりにくい傾向があり、こうした厄介な一面があることも猫喘息の特徴です。

なお、症状の内容によっては、気管支鏡検査や気管支肺胞洗浄液検査などを用いて、気道内の異物や腫瘍の確認、細菌感染などを調べます。

また、日本国内での症例はあまり多くないものの、肺に寄生した虫によって咳が出ている場合もあるため、便検査を行うこともあります。

猫喘息は治療が遅れると回復が難しくなるため、疑われる場合は速やかにかかりつけの獣医師に相談して、適切な検査を受けてください。

参照元:壱岐動物病院|猫喘息

猫喘息の主な治療方法

猫喘息の治療方法は症状の進行度や原因によってさまざまですが、主な方法は以下の通りです。

  • アレルゲンの除去
  • 抗炎症薬(ステロイド剤)の投与
  • 気管支拡張薬の投与
  • ネブライザーや酸素吸入

参照元:相模が丘動物病院|猫の発咳と猫喘息

感染が疑われる場合は、併用して抗生物質を投与する場合もあります。
担当の獣医師と相談しながら、適切な治療を進めていきましょう。

猫喘息の診療費事例

猫喘息の診療費は症状の程度によって大きく異なりますが、例えば猫喘息の疑いで動物病院を受診する場合、以下のような診療費が想定されます。

猫喘息の疑いで受診する場合

  • 初診料……約1,000円
  • 血液検査……約4,000円
  • レントゲン検査……約3,000円
  • 吸入……約1,000円

合計金額:約9,000円(薬代など除く)
参照元:日本獣医師会|家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査
※上記の診療費等はあくまで一例であり、一般的な平均・水準を示すものではありません
※各診療項目の金額は、動物病院によって異なります

激しい咳発作や呼吸困難などを引き起こしている場合は、ICU(特別治療室)での入院管理が必要になることがあります。

また、猫喘息とともに疑われる病気などによって検査項目が増えると、さらに高額になる可能性もあるでしょう。

猫喘息は完治することは難しく、治療によって状態が改善した後も生涯治療が必要となるため、診療費がかさみやすい疾患の1つです。

ペット保険によって日常的な通院費用の負担も抑えられる

ペット保険の加入には、日常的な通院費用の負担も抑えられることで、動物病院を通院するハードルが下がるというメリットがあります。

診療費への経済的不安から通院に気後れしてしまいがちですが、受診を躊躇したばかりに愛猫の症状が悪化してしまうことも少なくありません。

ペット保険によって日常的な通院費用の負担が抑えられれば、動物病院にこまめに通えるようになります。
然るべきタイミングに受診することで病気の早期発見・治療に繋がり、なおかつ、受けさせてあげられる治療の選択肢も広がるでしょう。

おすすめペット保険会社比較!初心者向け13社を短所も隠さず解説「ペット保険に加入しようと思うけど、どれにすればいいのかわからない…」という方に向け、13社のペット保険の特徴やメリット、気になる点やデメリットなどを解説!ペット保険を選ぶ際のポイントについても紹介します。...
ペット保険 猫 口コミ
猫の飼い主さんに聞いた!ペット保険会社の口コミ・評判アニコム損保、アイペット損保、アクサダイレクト、FPC、PS保険、楽天ペット保険など、猫の飼い主さんによる人気のペット保険の口コミ・評判を満足度ランキング順にご紹介します。猫のペット保険選びで迷ったときは口コミ・評判も比較してみましょう!...

猫に喘息の症状がみられた時の対処法や注意点

朝方の眠り猫

猫が喘息を起こしている場合、症状を悪化させないため、適切に対処することが大切です。
最後に、猫に喘息の症状がみられたときの対処法や注意点について解説します。

咳の症状が続いたら速やかに動物病院を受診する

咳の症状が続いている場合、速やかにかかりつけの動物病院を受診しましょう。

様子見をしているうちに、人間よりも小さい猫の場合は、短い時間で症状が悪くなってしまう可能性があります。

また、咳以外の症状がみられない場合でも、いつ重症化するかわかりません。
特に開口呼吸をしている場合は非常に危険な状態であるため、すぐに動物病院を受診してください。

このとき、来院前にあらかじめ電話で愛猫の様子を伝えておくと、動物病院側の受け入れ体制が整うため、スムーズに処置が進むでしょう。

また、可能であれば愛猫の様子や症状などについてメモや動画撮影をしておくことで、正確に獣医師に伝えられます。

休日や深夜でも診療を受け付けている病院を探しておくのも大切

万が一の場合に備えて、休日や深夜でも診療を受け付けている動物病院を日頃から探しておくことも大切です。
救急対応ができる動物病院を探すには、夜間対応可能な動物病院を掲載しているサイトなどを活用すると良いでしょう。

「どこの動物病院が良いのかわからない」と不安な場合は、かかりつけの獣医師から提携している夜間病院を紹介してもらうのもおすすめです。

こまめな掃除など生活環境の見直しをする

猫喘息の原因の多くはアレルギーであるため、症状が悪化しないように生活環境を見直すことで症状の緩和が期待できます。

こまめな掃除や定期的な換気、空気清浄機の設置など、衛生状態に気を配るよう心がけましょう。

また、部屋の湿度を適度に保つことも猫喘息の対処法として役立ちます。
特に空気が乾燥しやすい冬は、痰が溜まりやすくなったり、気道感染を起こしやすかったりするため、加湿器を上手に活用することが効果的です。

できるだけアレルゲンを除去して、猫にとってストレスの少ない生活環境を整えることは、猫喘息の発症予防にも繋がります。

監修担当の獣医師より

小島 麻里 先生

猫喘息と診断され、治療にネブライザーや酸素吸入が必要な場合は、治療期間が長引いたり高額になったりするケースがあります。

シャム猫がかかりやすいというデータもありますので、品種によっては早い段階で保険加入するのも良いですね。

また、猫喘息はさまざまな原因により引き起こされますが、わたしたちが日常的に使用しているもので気をつけたいのがスプレー関係です。

成分によりアレルギー反応を引き起こすことがあり、場合によっては急性の肺炎を引き起こすこともあります(防水スプレーなど)。

スプレー音に興味をもって近づいてきたときには間に合わなかった、ということもありますので普段の環境から注意することも大切です。

まとめ

猫喘息は、人間の喘息に近い疾患ですが、症状が長期化すると体力の消耗や食欲不振などの原因に繋がります。

また、症状が悪化すると、呼吸困難など深刻な状況を引き起こしかねません。
特に、呼吸の異常がみられる場合には重大な病気が潜んでいる可能性があるため、異変に気づいた場合は速やかに動物病院を受しましょう。

猫喘息は長期的な治療が必要になるため、今後の診療費への不安がある場合は、愛猫が健康なうちにペット保険に加入しておくことをおすすめします。

ABOUT ME
記事監修|小島 麻里 先生
酪農学園大学獣医学部獣医学科を卒業後、10年間小動物臨床に従事。 地域密着型の1次病院で経験を積み、東京大学動物医療センターで内科系研修医と並行して臨床研究を行う。 潜水士およびペット管理栄養士取得。7歳になる保護猫2匹(おもち・だんご)と暮らす。 めい動物病院
ABOUT ME
トリセツ編集部(アニマライフ)
トリセツ編集部(アニマライフ)についてはこちら>>

ペット保険のスペシャリストである少額短期保険募集人資格保有者が記事の執筆・監修をしています。ペット保険の情報をわかりやすくお伝えすべく、日々最先端のペット保険情報をチェックしています。犬や猫の「もしものとき」に備えるためのペット保険選びを正しい情報でサポートします。
×